2006年2月13日月曜日

勉強の面白さ

> 大学で学ぶ数学って面白いですか?

なんて聞かれた.
「面白い」最先端の数学に到達するには,それまで数学の成果を学ぶ必要がある.
それを学ぶには,つまらない数学を大量に学ばなければならない.

フェルマーの定理がワイルズによって証明されたころ,「楕円曲線、モジュール」といった理論が使われたため,「どんなのだろう?」と興味を持つ素人の人々が多かった.
もちろん,それだけを学ぶことは不可能.

数学は積み重ねの学問で,文系の学問のように政治学を学んで次に,社会学を学んで,それから歴史を学ぶ,というようには行かない.

楕円曲線は,たとえば,簡単には x^3+y^3=1 のようなものだが,それだけを学んでも「いったい何?」となる.
全体像が見えるようになるくらいにたどりつくには,大変な努力が要る.
楕円曲線やモジュールの理解には,群論や環論と解析に関するリテラシーが必要.

群論はものすごく抽象的で,定義や公理は単純だが,それが実際にどういうものかを理解するにはどうしても線型代数や整数論の知識が必要.
環論は群論みたいなもんだが,それよりややこしい.(自分の4年のゼミはこれだ)

さて,線型代数や整数論,解析は高校の数学III,数学B,数学Cの延長線上にある・・・

ちなみにフェルマーの定理は
曲線 x^n+y^n=1 に有理点が存在しないこと
と言い換えらる.(もちろんnは3以上,変数は0じゃない ←こういうことをちゃんと書くのが数学だが一気に読む気なくすねぇ)

最先端とはいえなくても,大学4年のゼミでやった内容,「面白そう!」と思った矢先,大学1,2年のつまらんと思った内容を1から復習しなけれならないことに気づいた・・・

まぁ,人生とは常にそんなもの.
「もっと勉強しておけばよかった」とはどんなレベル,どんな仕事でもみなが思う後悔.
皆,思っているはず
「もっと勉強すればよかった」って

だから今現在,目の前のつまらないと思うすべてのことに全力を尽くすしかない・・・それに気づくころに,自分の寿命(あと30年くらい)を自覚する.
それをことわざで「少年老いやすく学成りがたし」という.やれやれ・・・

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