(長々と書いてます)
∃x∀y(P(x)→P(y)) is tautology
証明
tautology p∨¬p (排中律 law of Excluded Middle)より
∃x(¬P(x))∨¬(∃x(¬P(x))) …(1)
も tautology.
¬(∃x¬P(x))
⇔∀x¬¬P(x) (de Morgan の法則)
⇔∀xP(x) (これも排中律)
によって (1)を置き換えて
∃x(¬P(x))∨(∀xP(x))
∀x は変数名によらないから∀yP(y)でもいい.
∃x¬P(x)∨∀yP(y)
∀yは外に出せる.
∃x∀y(¬P(x)∨P(y))
ゆえに(¬p∨q と p⇒q は同値だから)
∃x∀y(P(x)⇒P(y)) は tautology
これは論理計算の練習問題.
論理計算に慣れると,命題の否定を作るのはやさしい.
例えば,「関数f(x)がaで連続」の定義は
すべてのε>0について,あるδ>0が存在し,どんなxについても
「|x-a|<δ ならば |f(x)-f(a)|<ε」
論理記号を使うと
∀ε>0∃δ>0∀x(|x-a|<δ→|f(x)-f(a)|<ε)
例1
f(x)=x^2
なら
|f(x)-f(a)| = |x^2-a^2| = |(x+a)(x-a)| = |(x+a)||(x-a)|
からδを
|x-a|\lt \delta \lt \frac{\varepsilon}{|x+a|}
のように取れば,
|f(x)-f(a)| = |(x+a)||(x-a)| \lt \delta|(x+a)| \lt \varepsilon
とできる.
つまり,すべての\varepsilon\gt 0について,ある 0\lt\delta\lt \frac{\varepsilon}{|x+a|}が存在し,どんな xについても
「|x-a|\lt\delta ならば |x^2-a^2|\lt \varepsilon」
なので,x^2 はすべての x=a で連続であり,そこから「 x^2 は連続関数」といえる.
例2
f(x)=「x以下の最大の整数」
はグラフが階段状になるから,xが整数のときで不連続のグラフになるが,見た目ではなく連続の定義に反することを証明する.
たとえば,x=1 で不連続である.
証明
f(1)=1 であり,0<x<1 のとき,f(x)=0 である.
あるε=0.5>0をとれば,どんなδ>0をとっても,x=-δ/2+1<1 が存在して
|x-1|=δ/2<δ であって,|f(x)-f(1)|=|0-1|=1≧0.5=ε
となってしまい,確かにx=1で不連続.
論理計算ができれば,この命題が,連続の定義の否定になっていることがあきらかである.
∀ε>0∃δ>0∀x(P(x)→Q(x))
の否定を作ると
∃ε>0∀δ>0∃x(P(x)∧¬Q(x))
という形.
これを「意味」を考えてしまうと,とちゅうで何がなんだかわからなくなる.否定命題は機械的に作り出せねばならぬ.
∀(すべて)と∃(ある)の位置を変えたものは違う命題になる.
たとえば,
∀y≦4∃x(x^2>y) … 「すべてのy≦4について,あるxをとれば,x^2>y」
x≦-√y か √y≦x の x をとればいい.
つまり x の範囲は外側の y に依存する.
∃x∀y≦4(x^2>y) … 「ある x をとれば,すべてのy≦4について x^2>y」
x≦-2 か 2≦x でいい.
つまり x の範囲は個々の y とは無関係.
連続の定義も
∀a∀ε>0∃δ>0∀x(|x-a|<δ→|f(x)-f(a)|<ε)
∀aを∃の中に入れた
∀ε>0∃δ>0∀a∀x(|x-a|<δ→|f(x)-f(a)|<ε)
は連続よりもさらに条件の強い「一様連続」という概念である.
つまり連続では「δが a と ε に依存する」のに対して,一様連続では a には依存せず「δはεにのみ依存する」のである.
たとえば,x^2 では
∀a∀ε>0∃δ>0∀x(|x-a|<δ→|x^2-a^2|<ε)
\delta\lt \frac{\varepsilon}{|x+a|}という具合に δが a と ε に依存していることがわかるから,一様連続ではない連続である.
これが \sin x では
|\sin x-\sin a|=\left|2\cos\frac{x+a}{2}\sin\frac{x-a}{2}\right|
\leq \left|2\sin\frac{x-a}{2}\right| (cos は1以下だから)
\leq \left|2\frac{x-a}{2}\right| (|sin x| は|x|以下だから)
=|x-a|\lt \delta=\varepsilon
で δ が ε にのみ依存し, a は無関係.つまり \sin x は全区間「一様連続」である.
ところが(もう示さないが),x^2 だろうが \frac{1}{x} だろうが連続関数であれば,どんな関数でも a≦x≦b といった区間に区切れば,「一様連続」であることが示され,これが積分の存在に大きく関わる.
積分区間がa≦x≦bといった形になるのは,関数の一様性に由来しているのだ.
∃x∀y(P(x)の、(x∀y)の部分が、顔文字に見えて仕方ありません
返信削除左右対称の図形だからね.(^∀^)
返信削除括弧でくくるとよけいだね.(∩_∩