高校や大学初年級レベルまでの教科書では,自然数は1,2,3,… であり,集合論などでは0,1,2,3,…とするのが常識である.
数学という学問においてはどちらでもよい.本なり論文の頭に,「ここでは自然数は・・・とする」とひとこと断りを入れるだけでだれも混乱しない.
1,2,3,…とする学校教育ではそれが「常識」だから.
自然数を「個数の概念」とするなら,1,2,3,…が常識だろう.この場合「0個」というのは個数の範疇に入れない.「0個」という個数は数えず,「ない」という言葉を使うだけである.
以前,「かずと量」にも書いたとおり,「数えるのは1から」なので,自然数を1,2,3,…とするのが自然である.
しかし0は「和の単位元」という側面を持つので,数の体系に入れておくと何かと「便利」である.そのため大学の数学科の教科書では0を入れておくことも多い.
つまり,自然な自然数は1,2,3,…で,論理展開に便利な自然数は0,1,2,…である.
ところが最近の数論ではやはり自然な「自然数は1,2,3,…」も多くなってきた.そして「0,1,2,…」を表す言葉として,「非負整数」なる言葉が多く使われるようになってきた.
で,結論.
「どっちでもいいけど,断っといてね」
追記
>数学辞典の記載
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