2000年1月4日火曜日

かずと量

ひさびさ,数学ネタ.

かずは1から数えるもので,量は0から測るものである.

もうすぐ2000年.

20世紀が1901年から2000年の100年間であるが,歴史を習い始めたころ
「めんどうだな,西暦÷100=世紀 なら簡単なのに.」
と思ったことがあった.つまり1900年から1999年は単純に19世紀だと,西暦の上2桁と世紀が一致してわかりやすいだろうにと思ったのである.
もちろん,西暦は1年から数えて,はじめの100年間つまり西暦100年までを1世紀としたから,当然いまのようなカウントになったのである.
では,西暦1年の前年は紀元前何年か?
といわれたら,紀元前1年である.0年は存在しない.

ビルのエレベータの表示で,0階というものは存在しない.
1階の下の階は,地下「1」階である.

これらが「かず」である.しばしば0の発見と対比する人もいるが,そんな大それたことではなく,「かず」というのは1から始まり,0とは「ない」と道義で,0はかずではないのである.「かぞえる」というのは1から始まるものなのである.

昔の年齢計算の「かぞえ」というのはまさに年齢を「かぞえて」いるのであるから,生まれたら1歳.正月で2歳.とかぞえていくわけだ.

それに対し,0から測るのが量である.つまり,時間,分,秒は人間にとってかぞえるものではなく,測るものなのである.
時間の単位の中ではこれだけが量で,あとの世紀,年,月,週,日は人間にとっては「かぞえる」対象なのである.
しかし,「時」を量として0時から測るのは放送局くらいで,「12時」と言ってしまうことが多いということは,これも量ではなく「かず」と認識しているようである.
上2桁を「世紀」にするには0年から始めるとともに,0世紀から始めなくてはならない.そうなると,月日も0月0日からはじめる.1年間とは0月から11月までも12ヶ月間ということになる.
暦の始まりを0世紀の0年0月0日0時0分0秒にすれば,とてもわかりやすいカウントになったのだと思う.

コンピュータのメモリのアドレスも「0から255までの256個」のような数え方をしている.

イギリスでは地上が「地上階」で,その上が1階,地上階の下が地下1階と聞いたことがある(ちがっていたら指摘してほしい).つまり0階が存在している.もし本当ならイギリス人は階数というものはかぞえるものではなく,測るものらしい.

中2階ということばがある.1階と2階の間である.中2階というからには2.5階のような印象をうけそうなものだが,1階と2階の間なのだから1.5階かもしれない.で,そもそも0階から始めるイギリス式なら,0.5階ということになって,まことに自然である.

現代の年齢計算も量といってよい.ところが,妊娠第n週というのが「かず」なのでこんがらかってしまう.

死んだあと,1周忌は量だが,3回忌はかずである.

ほかにもかずと量が混在しているものがあったら,BBSへ書き込んで教えてね.

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