電池には内部抵抗と呼ばれるものがある.べつに電池の中に抵抗が入っていて,電力を消費するものではない.
内部抵抗の無い電池はないが,仮に内部抵抗の無い 1.5Vの電源を考えてみる.内部抵抗が無いということは無限に多くの電流を流せる理想的な電源といえる.
これを,直径 1mm ,長さ10cm=0.1m の銅線でショートさせるとどうなるか.
銅の導電率 59.6×10^6 より,電気抵抗率 1/(59.6×10^6)=1.68 × 10^-8 Ω m なので,直径が 1mm なら,断面積は π((0.001m)/2)^2 より,
(1.68 × 10^-8 Ω m)× 1m ÷ (π((0.001m)/2)^2) = 0.00213904244 Ω
これに,1.5 V をつなぐと,700 A の電流が流れ,銅線は 1.5V×700A = 1050W もの電力を消費してたぶん発火する.
まさか,ふつうの乾電池ではこうはならない.
つまりたくさん電流を流そうと,抵抗の小さい負荷をつなぐと,起電力の限界に達して,電圧が下がってしまう.
それを「無限大の電流が流せる理想的な電源に抵抗がつながっている」ように解釈して,「内部抵抗」と名づけているわけだ.
乾電池は内部抵抗が大きい(つまり能力が低い)ので,8本つないで12Vにしたからといって,車のセルモータは回せない.セルモータをつなぐと電圧を維持できずに下がってしまう.
乾電池でエンジンをかけるには,自動車バッテリと同じ(内部抵抗0.01Ω)にするために8本を50並列.つまり400本の乾電池が必要.
つまり,能力が低くて下がった電圧を「内部抵抗による電圧降下」という解釈にするわけだ.
数十ボルトという低い電圧でも,溶接は数百アンペア,鍍金では数千アンペアを流す.これらは,内部抵抗の非常に小さい電源といえる.
なんか昔習ったようなー、気がしたようなー・・・やっぱ忘れてます。
返信削除普通は習わないと思いますが・・・中学の頃(40年前),「初歩のラジオ」という雑誌で,考え方を知った.
返信削除