2018年12月28日金曜日

10dBアッテネーターの製作

先日のA1Club Alcohol部会のときに部品は揃えて,一週間程度で完成したのだけれど,回路図や計算結果などを載せたくて時間がかかってしまった.>A1C Alc部会の混信会

50Ωのダミーロードをつなぐと,Rig側から見たインピーダンスは50.0Ω.

ときどき,100ミリワットの 1/10 の 10ミリワットで CQ 出しているが,いまだ交信は実現していない.


こちらのサイトを参考に製作.>-10dB送信アッテネータの製作
サイトでは「頑張って計算すると・・・」とあるが,計算サイトにやらせればよいのだw
自分は手計算が面倒で,数学の計算にしょっちゅうに使わせてもらっている.まぁ Mathematica のコマンドを知っていれば,100倍便利で使い出はあるけれど,電卓程度なら googleのほうが良いですね.
$\frac{1}{\frac{1}{\frac{1}{R}+\frac{1}{R2}}+R1}+\frac{1}{R2} =\frac{1}{R}$

$\left(\frac{\frac{1}{\frac{1}{R}+\frac{1}{R2}}}{\frac{1}{\frac{1}{R}+\frac{1}{R2}}+R1}\right)^2=\frac{1}{a}$
の連立方程式の解は,>計算サイト
$R1=\frac{(a-1)R}{2\sqrt{a}}$, $R2=\frac{(\sqrt{a}+1)R}{\sqrt{a}-1}$


アンテナのインピーダンス$R=50 \Omega$で,-10dB だから $\frac{1}{10}$ にすればよい.だから,$a=10$ として,数値計算すると>計算サイト
R1=71.15124735378853496997510474973616700868999063481737860429... >計算サイト
R2=96.24752955742643702220992827147465037466172377028018696508... >計算サイト

これをもとに,参考サイトでは,
68Ωと75Ω を組み合わせて R1=71.5Ω (誤差0.5%),
91Ωと100Ωを組み合わせて R2=95.5Ω (誤差0.5%) 
を作り,回路全体で4種類,12本の抵抗を使っている.
回路のインピーダンスは49.85718524Ωで50Ωとの誤差は0.29%
計算サイト


自分は,
270Ω 2本と300Ω 2本を並列にしてR1=71.05263158Ω (誤差0.1%),
270Ω 1本と300Ω 2本を並列にしてR2=96.42857143Ω (誤差0.2%)
で,回路全体で2種類,10本の抵抗で実現できた.
回路のインピーダンスは50.03088326Ωで50Ωとの誤差は0.06% となかなか美しい.自画自賛(^^)v
計算サイト

ということで,冒頭のテスターの値.

100mWをいれたときの各抵抗の電力消費は
Rig側の R2 は51.9mW(270Ωが18.5mW,300Ωが16.7mW×2),
R1は32.9mW(270Ωが8.65mW×2,300Ωが7.79mW×2),
アンテナ側のR2は5.20mW(270Ωが1.86mW,300Ωが1.67mW×2)
で,アンテナは10.03397159mW となる.

さて,アンテナ回路を開放した場合,つまりアンテナインピーダンスRが∞となった時,1/R=0 より,回路のインピーダンスは 61.195Ω.このとき VSWR は1.2
計算サイト


アンテナ端子をショートした場合.つまりアンテナインピーダンスRが0の時,R2をショートするから R2=0 より,回路のインピーダンスは40.909Ω.このとき VSWRは 1.2
計算サイト

開放でも,短絡でもアッテネーター回路のおかげで VSWR が悪くならないのはよい.
測定結果も計算通りなのでミスはなさそう.

参考サイトはリレーで受信時はスルーしているが,自分はトグルスイッチ.
でも,受信時はスルーする必要は感じない.普段からノイズ対策で KX2 の受信アッテネーターを入れているので,それが外部アッテネータになっただけのこと.
もちろん,KX2 のアッテネータは 10dBも減衰はしないけれど,ノイズも減衰して聞きやすくなる.


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