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2007年8月2日木曜日

虚数の三角関数その4

つづき)

\sin\theta=\frac{1}{2i}(e^{i\theta}-e^{-i\theta})
などと書くと,
\sin\theta=\frac{1}{2i}(e^{i\theta}-e^{-i\theta})=\frac{1}{2}
のときに,ちゃんと\thetaが30度になってくれるの?と思ってしまうが,もちろん,この複素数への三角関数の拡張は実数を含むので,つじつまは合う.

一般に
\sin\theta=\frac{1}{2i}(e^{i\theta}-e^{-i\theta})=\alpha
のとき,\alpha(複素数)によって,\thetaがどうなるかを見てみる.

2i倍して,
e^{i\theta}-e^{-i\theta}=2i\alpha
e^{i\theta}倍して,
(e^{i\theta})^2-e^{i\theta}e^{-i\theta}=2i\alpha e^{i\theta}
e^{i\theta}e^{-i\theta}=e^{i\theta-i\theta}=e^0=1 より
(e^{i\theta})^2-1=2i\alpha e^{i\theta}
(e^{i\theta})^2-2i\alpha e^{i\theta}-1=0
e^{i\theta} の2次方程式を解いて,
e^{i\theta}=i\alpha\pm\sqrt{(i\alpha)^2+1}
=i\alpha\pm\sqrt{1-\alpha^2}

ここで,\theta=x+yiならば,i\theta=ix-y より,
e^{i\theta}=e^{-y+ix}=e^{-y}(\cos x+i \sin x)
で,絶対値は,
\left|e^{i\theta}\right|=e^{-y}
である.

さて,複素数\alphaが -1以上1以下の実数ならば,1-\alpha^2は0以上なので,\sqrt{1-\alpha^2}は実数である.
よって,e^{i\theta}=i\alpha\pm\sqrt{1-\alpha^2}の実部が,\pm\sqrt{1-\alpha^2},虚部が\alphaである.
よって,e^{i\theta}の絶対値は,
\left|e^{i\theta}\right|=\sqrt{\alpha^2-(\pm\sqrt{1-\alpha^2})^2}
=\sqrt{\alpha^2+(1-\alpha^2)}=1
\theta=x+yi(x,y は実数)であるときは,
\left|e^{i\theta}\right|=e^{-y}=1
より,y=0.つまり\theta=x+yi=x+0i より\thetaが実数でなければならない.


具体的には,
\sin\theta=\frac{1}{2i}(e^{i\theta}-e^{-i\theta})=\frac{1}{2}
ならば,
\alpha=\frac{1}{2}
より,
e^{i\theta}=i\alpha\pm\sqrt{1-\alpha^2}
=\frac{i}{2}\pm\frac{\sqrt{3}}{2}
\theta=x+yiならば,
e^{i(x+yi)}=e^{-y}e^{xi}=e^{-y}(\cos x+i\sin x)
=\pm\frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{1}{2}i
より
\left|e^{i(x+yi)}\right|=e^{-y}=\sqrt{\left(\pm\frac{\sqrt{3}}{2}\right)^2+\left(\frac{1}{2}\right)^2}=1
なので,y=0となり,
\cos x=\pm\frac{\sqrt{3}}{2},\ \sin x=\frac{1}{2}
となって,xは実数なので,
x=\frac{\pi}{6}
よって,
\theta=x+yi=\frac{\pi}{6}+0i=\frac{\pi}{6}
が得られる.
つまり,
\sin\theta=\frac{1}{2i}(e^{i\theta}-e^{-i\theta})=\frac{1}{2}
などという目の廻りそうな定義式でも,
\theta=x+0i=30^{\circ}
ちゃんと,つじつまが合うわけだ.

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