8月に受けた試験の答えとコメントなど.
A- 4
図に示す回路において、端子ab間の合成抵抗の値を10〔Ω〕とするための抵抗R の値として、正しいものを下の番号から選べ。
1 10〔Ω〕
2 20〔Ω〕
3 30〔Ω〕
4 40〔Ω〕
5 50〔Ω〕
見慣れた昔の抵抗記号だが,学校の教科書やセンター試験はこれとは違う.すべて新しい国際標準の記号になっている.>こちら
R と 10 〔Ω〕の並列部分の抵抗は
$\frac{1}{\frac{1}{R}+\frac{1}{10}}=\frac{1}{\frac{10}{10R}+\frac{R}{10R}}=\frac{1}{\frac{10+R}{10R}}=\frac{10R}{10+R}$
これに5〔Ω〕が直列につながっているから,
$\frac{10R}{10+R}+5 = \frac{10R}{10+R}+ \frac{5(10+R)}{10+R} = \frac{10R}{10+R}+ \frac{50+5R}{10+R} = \frac{50+15R}{10+R} $
これと40〔Ω〕の並列抵抗は,
$= \frac{1}{\frac{400+40R}{40(50+15R)}+\frac{50+15R}{40(50+15R)}} = \frac{1}{\frac{450+55R}{40(50+15R)}} = \frac{1}{\frac{90+11R}{8(50+15R)}}= \frac{400+120R}{90+11R}$
これが10〔Ω〕と等しいから,
$\frac{400+120R}{90+11R}=10$
$400+120R=10(90+11R)$
$40+12R=90+11R$
$12R-11R=90-40$
$R=50$
(答) 5
A- 5
図に示す回路において、交流電源電圧 が200〔V〕、抵抗R1 が10〔Ω〕、抵抗R2 が10〔Ω〕及びコイルL のリアクタンスが10〔Ω〕であるとき、R2 を流れる電流 の値として、正しいものを下の番号から選べ。
1 8- j 5〔A〕
2 8+ j 4〔A〕
3 5+ j 4〔A〕
4 4+ j 5〔A〕
5 4- j 2〔A〕
まず,全体をインピーダンス(抵抗)を求め,全体の電流を求めた上,抵抗R1の電圧降下を計算すると,R2 にかかる電圧がわかる.
あとは,オームの法則で,R2 に流れる電流を計算する.
リアクタンスを計算の中に入れるとき,コイルは,リアクタンスが10〔Ω〕なら虚数単位を j として j10 とする.
電気では i は交流電流の意味だから,虚数単位を j で表し,さらにその係数を後ろに書く習慣.
10〔Ω〕のR2と,10〔Ω〕のL の並列回路のインピーダンスは,
$= \frac{10(1+j)}{(1-j)(1+j)}= \frac{10(1+j)}{1^2-j^2}= \frac{10(1+j)}{1-(-1)}= \frac{10(1+j)}{2} = 5+j5$
これにR1 が10〔Ω〕で直列につながるから,単純に足して,
$5+j5+10=15+j5$
が全体のインピーダンス.これに200〔V〕をかけたときの電流はオームの法則で,
$= \frac{40(3-j)}{3^2-j^2}= \frac{40(3-j)}{9-(-1)}= \frac{40(3-j)}{10}= 4(3-j)=12-j4 $
10〔Ω〕のR1 を 12-j4〔A〕の電流が流れたときの電圧降下は
$10(12-j4)=120-j40$
したがって,R2 の両端にかかる電圧は,
$200-(120-j40) = 80+j40$
10〔Ω〕のR2 に流れる電流は,
$\frac{80+j40}{10}= 8+j4$
(答) 2
「虚数」をはじめて習うと「現実に存在するの?」という気持ちになるが,交流の電気回路(電磁気学)は虚数で表され,虚数がないと記述できない.
>くろべえ: 存在とは
虚数で表される抵抗成分(リアクタンス)は,エネルギーを消費しない.
>くろべえ: 虚数の存在
A- 6
次の記述は、トランジスタの周波数特性について述べたものである。 内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
トランジスタの電流増幅率の大きさが、その周波数特性の平坦部における値の A になるときの周波数を B 周波数という。この周波数が C ほど高周波特性の良いトランジスタである。
A B C
1 1/√2 遮断 高い
2 1/√2 トランジション 高い
3 1/√2 遮断 低い
4 1/2 トランジション 低い
5 1/2 遮断 高い
(答) 1
これは知識を問う問題.
電流増幅率が 1/√2 というのは電力増幅率なら半分(1/2=-3dB)ということ.
トランジション(遷移)とは,増幅から減衰に遷移する周波数.これ以上は増幅どころか,抵抗になるということ.
>つづく
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法規 A-1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 B-1 2 3 4 5
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