2006年6月6日火曜日

ジャイロスコピック プリセッション

理科の先生が,自転車のリムで作った物理教材を持っていたのでしばし遊んだ.久しぶりに単車以外でジャイロスコピックプリセッションを体験.

軸の部分が左右に大きく出ていて,両手で持てるようになっている.
回転させて両手で持ち,傾けようとするとうまく傾かない.モーメントである.
単車が倒れないのは車輪の回転モーメントによるジャイロ効果というのは有名.
高速で回転する車輪が,車体を安定させる.

もっと正確にいうと,傾けようとしても思った方向に傾かない.
両手で地面に対して水平に左右に力を加えると,回転体は垂直方向に傾く.
これをジャイロスコピックプリセッションという.
正確には,力を加えた方向から,回転が90度ずれたところで傾く.

ヘリコプターが前進するときはローターの回転面を前に傾けるが,上から見て時計回りのローターの場合,回転面を左へ傾けるように力を加えないと,実際は前に傾かない.これがジャイロスコピックプリセッションである.
ヘリコプターのローターは前後方向の回転面の制御は,左右方向に力を加えているのである.

単車の前輪の場合.
左カーブで単車をバンクさせるとき,一瞬右にハンドルを切ると一気に左へバンクするが,これは接地面が右にずれることによる重心移動ばかりではない.重心移動だけでは,すばやいバンクは無理で,これはジャイロスコピックプリセッションが有効に働いている実例である.
右にハンドルを切ると,車軸には水平方向に力が加わる.しかし実際はバンクするように,垂直方向に回転面が傾き,車体が左にバンクすると言える.

この「90度のずれ」は sin cos の微積分で説明がつくらしい.
つまり sin と cos は位相が90度ずれていて,sinの微分がcos,cos の微分が-sin.
力を加えて回転面が傾くのは微積分にあたるというのをどこかで見たような気がする.こんど力学の教科書でも立ち読みするかな.

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