2012年11月30日金曜日

「0で割る」がアクセス噴火

29日のページビューが2295.
普段は1日500件に満たない程度なのに,その前後がすごいことになっていた.

blogger のアクセス記録の日付の切り替えは,UTC(協定世界時)のようである.9時ジャストに表示して画面をコピー.

アクセスされたページは「0で割る」関係.
そんなに0で割るのが流行っているのか?
無意味なのに・・・>2004年の記事:「0で割る計算」のページがよく引用される.

戸板で議論になったらしい.
「9÷0=」の答えは? 小学校算数で出題された問題めぐりネット上で議論 | RBB TODAY

>「指導要領はどうなっているのだろう」
触れていない.定義できない計算なので,当然である.0で割る計算は教える内容ではない.
>「小学校、どうなってるんや、、、」
理系や数学科を出た人が小学校の教員になることは非常に稀.つまり,
「数学は苦手でキライでした」
自負し,「文系であること」を免罪符にしている人々が小学校教員の大多数だからこういうことが起きる.理科離れは教員の理科離れだね.キライな人間がいやいや教えれば,そういうことになる.

高校段階で,「文系」「理系」を分けるものだから,文学や英語ギライを自負する理数系の教員や,理数ギライの文系の教員が多くなっている.高校教育まではどちらの素養も必要.
どちらかがキライな人間には,教員になってもらいたくない.

放送業界などもそういう人々が番組作りをしているのだろう.>以前の記事

議論の余地なし.>以前の記事
意味のある計算ではないのだが,こんなことに興味がある人が結構多いんだなー


数学はもともと,現象をシミュレートする言語として,世の中での存在意義がある.
もちろん,現実とは無関係に,数学そのものが興味の対象となっている自分のような変人も多いわけだが.

簡単に言うと,数学は「当てはまるものにしか当てはめられない学問」であり,普通の人や社会にとっては,それこそが「有用な」数学である.
その点,「0で割る」などは,実社会ではありえない計算なので,そんな不毛な議論するのは,まともな人間には無意味なことなのだ.



もちろん,まともではない,われわれのような変人の中ではすでに解決済みで,「定義できない」でなんら問題はなく,議論の余地はまったくない.


0で割る計算が当てはめられる現象がないはずなのに,それに興味を持つ一般人が多いのはなぜだろう.
おもしろいのは,現実の問題は存在しないので,あえてシミュレートの対象となりうるストーリーを考え出そうとする人が,多いこと.
「みかん5個を0人で分けたら・・・」
とか.
あ,それと
「0は数ではない」「0は数ではなく概念」
などと仲間はずれにしてしまう人もいたりする.

0はれっきとした数で「足しても変わらないという性質を持つ数(和の単位元)」である.


0で割る計算をシミュレートするストーリーはない.
これは,完全に「抽象言語としての数学」の
「計算構造の中でたまたま0を入れたら?」
という場面でしか遭遇しない.

実はそれこそが「変人(数学人)の入り口」である.
つまり,こういう実社会ではなんら役に立ちそうもないこと(x^105-1の因数分解を手計算するとか)に,ヨロコビを感じる変人への第1歩なのだ.
そう,「現象を記述する有用な言語」から「言語そのもののへの興味」へ.
そして,その延長線上にわれわれがいる・・・


もちろん,0で割る計算の議論でも,多くの人は
「やっぱりよくわからん」「だから数学人は変人」
と,正しい判断をして,この議論をやめる.
でも,これにつっかかる人は多いのだなー.
ときどき,0で割るで,アクセスが噴火するし,そうでなくても毎日一定数がその検索語でアクセスしてくる.


ということで,自分の生徒が,こんな「何の役にも立たない」,「解決済み」の「どーでもいいくだらないこと」に疑問を持たぬよう,機会があるごとに「逆算」がらみで教えることにしている.

情報の授業で「0除算エラー」が出たので,ついでに教えることにした.
「5÷0は0倍して5になる数を求めることだよ.そんなのある?」
「0÷0は0倍して0になる数を求めることだよ.なんでもありで決まらないね」
ってな具合に.

2 件のコメント:

  1. http://news.ameba.jp/20121129-439/
    これじゃないかなぁ?

    返信削除
  2. 結構いろんなところにあるようだね.
    定期的に噴火します(笑

    返信削除

スパム対策のため,コメントは,承認するまで表示されません。
「コメントの記入者:」は「匿名」ではなく,「名前/URL」を選んで,なにかニックネームを入れてください.URL は空欄で構いません.