2013年7月24日水曜日

デデキント

アマゾンから本の案内.

リヒャルト・デデキント『数とは何かそして何であるべきか (ちくま学芸文庫) 』

先月,実習生に数学の話をしたときに,デデキントの本を紹介して,アマゾンで検索したから,その本の宣伝メールかな.
と思ったら,自分が持っているのとタイトルと出版社が違う.

タイトルは違うけれど,「数とは何かそして何であるべきか」はデデキントの有名な著作『Was sind und was sollen die Zahlen?』のことである.

そうか,新訳が,ちくま学芸文庫から出たのか.
Math & Science
ちくま学芸文庫のMath & Science シリーズは読みたい本がたくさんあるけれど,自分の寿命を考えると,読み終わらない恐れがあるから,我慢するところがある.

実習生に見せた自分の本は,河野伊三郎訳『数について』岩波文庫.

これは,デデキントの著作「連続性と無理数」「数とは何か,何であるべきか」の2篇を1冊にしたもの.

奥付に1984年7月20日 第24刷とあるから,教員になった1985年に買ったのだろう.(初刷りは1961年11月16日)
定価250円と書いてある.

この年,同僚というか先輩の数学の先生たちと,実数の連続性を議論した覚えがあって,ずいぶんと読んだ気がする.その時の話題を元に,O野先生が,千葉県の部会誌に投稿したのを覚えている.
パラフィン紙のカバーはボロボロになって捨ててしまった.

直線(実数)がつながっているということだけだが,それを極限の概念から,集合論から,有理数との関係から,破綻せぬよう表す試みがデデキントの時代に行われた.
ちょっと思い出すだけでも,ワイエルシュトラスとかコーシーとか,有名どころがいろいろ実数の連続の概念を捉える方法を編み出した.
その中でも,実数を有理数の切断で定義するという斬新な切り口がデデキント.ここで活躍するのもまたまた,順序対>以前の記事「順序対」


数学書なのに,本文は縦書き,さらに文字を横向きにして数式が書いてある.ドイツ文字まで出てきて,今思うとすごい.

中身の原典は,どちらも同じ,「Stetigkeit und irrationale Zahlen(連続性と無理数)」と「Was sind und was sollen die Zahlen? (数とは何か,何であるべきか)」の2篇だが,新訳は,「Was sind ~」の訳を,本のタイトルにしたようである.
自分も,河野伊三郎訳『数について』のタイトルを,「数とは何か」と勘違いしていた時期があった.それほど,「Was sind ~」のタイトルのインパクトが強い.こちらをタイトルにして正解だと思う.

さらに,
>「現代の視点から数学の基礎付けを試みた充実の訳者解説」
う~ん,ぽちっとな.

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