教科書では
「x^2+x+1=0 で解を持つように新しい数 i を…」
といった導入をすることが多い.
でも,ルートの中がマイナスなら「解なし」のままでなんら問題ない.
したがって本当の有用性は,2次方程式ではない.歴史的には,2次方程式ではなく,3次方程式でどうしても虚数を使わなければならない状況が出てきた.
2次方程式の歴史は古く,メソポタミアの楔形文字の粘土板に,2次方程式にあたる問題と,それに対する答えが「数字を変えてもいつでも求まる形」で書かれている.つまり数字が代入された解の公式といえる.
しかしこの時代は,虚数どころか負の数も「解なし」だったので,ルートの中だろうが外だろうがマイナスになれば解なしにすればよかった.
3次方程式の一般解がつきとめられた時代にはすでに,負の数に市民権はあった.
3つの実数解を持つ3次方程式を解の公式を解くと,どうしても虚数を経由しなければならならなかった.つまり実数がいくつかの虚数の四則計算でしか表せなかった.その虚数を数値計算するとうまい具合に虚数単位 i は消去できるが,厳密解レベルでは消去できないのだ.
こうして,虚数が市民権が認められ,平面図形との関連が突き止められ,目に見えない電磁気が,虚数でうまく表現され,工学ではなくてはならない数になった.
>虚数の存在
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