電磁波のうち,3THz=3000GHz 以下のものを法律では電波というが,電磁波には光,X線も含まれる.たとえば,可視光は波長780nm~380nmなので振動数なら約400~800THzとなる.
電波の飛ぶ理由は「電磁波」という言葉に込められていると思う.
もともと,電界と磁界は見えない空中に力が及ぶ.
磁石を近づけるだけで,釘が磁石に動くのは空間に磁力があるからで,それを磁界という.
下敷きをこすって頭に近づけると,髪の毛がすいつくのは空間に力が及んでいるからで,それを電界という.
さて,電界が動くと,その周囲で磁界が動く.モーターはこの原理でまわっている.
また,磁界が動くと,その周囲で電界が動く.発電機はこの原理で電気を起こす.
電線に振動している電流(交流)を流すと,その周囲に振動する磁界が発生するが,普通,電線は往復の2本を束ねて使うため,互いに磁力線を打ち消しあい,周囲に影響することはない.
アンテナは2本の電線が空中に開いている形が基本(ダイポール).
その電線に交流を流すと,周辺で磁界が振動する.振動した磁界の周辺では電界が振動する.
その振動した電界の周辺で磁界が振動する・・・
とまぁこんな具合に,電界と磁界の波が見えない空中を飛んでいくのが電磁波である.(マクスウェルの理論)
量子力学では,光子のやりとりで電気や磁気の力が生じて,電磁波は光子が飛ぶことと説明される.
磁石をモーターで毎秒10万回,回転させれば100kHzの電波が出る.実際,通信の黎明期には「高周波発電機」という,機械的な回転で電波を発生させ,スイッチの断続でモールス,マイクを直列に挟んで音声を乗せ,通信に使ったようである.実際は多極発電機(数百極)で,回転数はもっと低かった(毎分数千).
現代では,機械的な回転ではなく,半導体素子で構成した発振器を使って振動する電流作る.そして,AMラジオではその電流の強さを音声の電気信号で変えることによって,音声信号を伝えている.
空中を飛んでいる電波は,そこらの金属線に電気を起こす.それをうまく選べばテレビ,ケータイその他通信機器が使えるというわけだ.
コンセントに開いた電線をつないでもほとんど電波は出ない.最も効率よく電波が飛ぶのは波長の半分の長さの電線である.電灯線ならば 50Hz なので波長 6000km つまり3000kmの電線を用意してその真ん中をコンセントにつなげれば電波として飛んでいく.
さて,ではなぜ電界が動くと,その周囲で磁界が動いたり,その逆もあるかという理由はたぶんわかっていない.
「観測される事実」
ではあるが,その理由はわかっていないと思う.その意味で,電波が飛ぶ理由はわかっていないといえる.
なかなか4アマ程度でそこまで理解できている人はいません。
返信削除今の無線屋(携帯電話屋やコンピュータ屋など)もわかってないだろうな~。
まぁ理解できていなくても,使えますからね.
返信削除わたしは「どうして?」に興味があるので.
その知識が役に立つかどうかは二の次なのです.