2006年4月2日日曜日

年度変り

4月1日から新年度.学校などの年度は4月1日から3月31日.

それなのに4月1日生まれは早生まれで,4月2日生まれから次年度の学年になる.
じつはこれとて,4月1日を基準にしている.
話は簡単.「その年度の小学1年生は4月1日で6歳の子供」と決まっているから.やはり4月1日が基準であることには変わりない.
以前書いた,「かずと量」に関係しそうな話である.

1999年4月2日から2000年4月1日までに生まれた子どもは,2006年4月1日に6歳なので今年の新1年生.
2000年4月2日生まれは2006年4月1日ではまだ5歳なので来年度1年生,

学校教育法 22条(抜粋)
「子女の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校に就学させる」


「6歳」「学年のはじめ」という単純な基準である.「学年のはじめ=4月1日」は明らか.では「6歳」とは?

年齢計算ニ関スル法律
「年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス
民法第百四十三条ノ規定ハ年齢ノ計算ニ之ヲ準用ス」


「出生の日より起算」・・・わかりやすい.
ところがこれは年齢以外の計算方法とは違う(たとえば「利息」).他の場合は期間の初日が1日の途中から始まる場合はその日は算入しないという初日不算入の原則がある(利息の場合は翌日から発生).つまり「基準日の翌日からスタート」だが,年齢は「出生の日からスタート」と言っている.0:00ジャストに生まれても23:59:59に生まれてもその日の始まりが年齢計算のスタートになる.

さて,「民法第百四十三条・・・」とは?

民法 143条(抜粋)
期間ヲ定ムルニ年ヲ以テシタルトキハ暦ニ従ヒテ之ヲ算ス
年ノ始ヨリ期間ヲ起算セサルトキハ其期間ハ最後ノ年ニ於テ其起算日ニ応当スル日ノ前日ヲ以テ満了ス但年ヲ以テ期間ヲ定メタル場合ニ於テ最後ノ月ニ応当日ナキトキハ其月ノ末日ヲ以テ満期日トス

期間算定の方法である.
1.年齢のように「年」を単位にするなら,暦どおり
2.1年とは起算日から翌年の起算日の前日まで,2月29日がなければその前日.
これも当たり前の考え方.

で,このわかりやすく当たり前の考え方で,なぜ4月1日生まれが早生まれか.
キーワードは
前日ヲ以テ満了ス
4月1日生まれの6歳の期間は4月1日から翌年3月31日まで.翌4月1日は7歳となる.
で,「学年のはじめ=4月1日」のとき7歳では「2年生」である.だから4月1日生まれは早生まれとなる.>4月1日生まれは,なぜ早生まれか?

前日ヲ以テ満了ス
となっているのは,当日加算だと2月29日生まれの人は年齢加算されない年ができてしまうからである.


さて,定年は「60歳に達する日」なのだが,これは民法や年齢計算ニ関スル法律では「誕生日の前日」をいうことになっている.
学校に限っては年度途中の退職は無いので,定年に達した日以後における最初の3月31日,つまりその年度の3月31日までに「60歳に達する」人が退職になる.

先日,教員の退職者でやはりこの年度の切り替わりの関係で面白いことに遭遇した.
今年の3月31日に定年退職した教員は,1945年4月1日から1946年3月31日に生まれた人である.
同級生の中の4月1日生まれの人だけ,退職は次年度になるのである.なぜなら,3月31日ではまだ59歳だからその年度の退職にはならない.つまり,同じ学年の1946年4月1日生まれの人だけは同級生でも退職は次年度になる.
「同級生だったのに,退職が1年ずれた」
と言っていたのはこういうことだったようだ.

日単位で定年日の決まる組織ではあまり関係ないが,学校と言うところは年度ごとに人を動かすので,1日の違いで丸1年もずれたりする.

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