計算の優先順位.
加減乗除の混在した計算においては,乗除を優先する.
おそらく歴史的に×と÷を先に計算する場面が多かったから,経験的に×と÷を先に計算する習慣が形成されたのだろう.
全部に括弧をつけてしつこく優先順位をつければそういう問題は起きないわけだが,括弧を多用すると式が見づらくなるからできるだけ省略したい.そのときに×と÷の括弧を省略すると大部分の括弧が省略できることに気づいたのかもしれない.
数学の公式の中では,台形の面積,等差数列の和などの公式が+を先に計算するので,括弧がついているが,それ以外の大部分は×と÷を先に計算するために,括弧が不要になる.
台形の面積 ((a+b)×h)÷2=(a+b)×h÷2
等差数列の和 ((a+l)×n)÷2=(a+l)×n÷2
それから,×は「1あたりaの,bあたりの量」を求め,逆に÷は「1あたり」を求める計算なので,本来異質のもの同士の計算になる.
例えば,
1クラスあたり40人,5クラスの人数は40×5
200人の生徒に対し,1クラス40人のとき,クラス数は 200÷40
そして,+,-は同質のもの同士の計算になる.
1クラスあたり40人,
1年生が5クラス 40×5=200
2年生が4クラス 40×4=160
3年生が5クラス 40×5=200
全部で 200+160+200人
ということは,
「先に×,÷で異質なもの同士を計算して同質なものにしてから,+,-を行う」
ということもできる.
どちらにしても,計算の優先順位は習慣から決まったものだろう.
「なぜ,英語では主語の次に述語が来るのか?」
と同等な議論だと思う.
さて,掛け算と割り算だけが混在している計算の場合は,括弧で優先順位の指定がない限り,「前から順に」である.
6÷2×5 = (6÷2)×5 = 3×5 = 15
6÷(2×5) = 6÷10 = 0.6
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