「クレタ人は嘘つきだ」
とクレタ人のエピメニデスが言った.
この発言は正しいか?
型の理論(Theory of type)
たとえば,「私は嘘をついている」
は
「すべての命題pについて私が真である,というのは真ではない」
と同値であるとして,
p が1階の命題とすると,この
「すべての命題pについて私が真である,というのは真ではない」
は1回の命題について述べている2階の命題といえる.
したがって,これは実は,
「私が1階の命題が真である.というのは真ではない」
とう2階の命題になるので,パラドックスではないという主張.
という具合にに,細かく論理の階数をきめて,パラドックスを避けようとしたのだけれど,2階より上でも数学的帰納法(1階の論理)を許すとかがこじつけみたいに見えたり,型のチェックが煩雑だったり,結局主流にはならなかったのだな.
でも,後のゲーデルの仕事(選択公理の無矛盾性とか連続体仮説の無矛盾性)はこの型の理論の考え方だったな.たしか.
そこでは命題に対する対角線論法を用いる.
対角線論法とは,すべての小数(実数)に自然数のナンバーがつけられると仮定すると,第n桁目にナンバーnと異なる数字を使った新たな実数が用意できるから,「実数にはナンバーがつけられない」
ゆえに,「実数は自然数より多い」と論証する方法.>ブログ記事
つまり
「すべての命題pについて私は偽を言う」
において,すべての命題にナンバーをつけるという方法をとると,不完全性定理「トートロジー(真の命題)の証明が存在しない」が証明できてしまうのだ.
Σ( ̄Д ̄;)おおコレは、なんか哲学の本で読みました。証明が存在しない・・・・
返信削除ん~難解です_| ̄|○
哲学とは立場の違い,人によって言っていることが逆であっても平気です.
返信削除不完全性定理はそんなあいまいな哲学ではなく,全くの数学の定理なので,立場が違うから・・・ということはありえません.
三角不等式 AB+BC>AC が立場によって成り立たないことがあるなどということがないように,不完全性定理もすでに数学的に証明された「事実」です.