コメントで質問を受けた.
質問のコメント
コメントで答えようとおもったけれど,長くなったので記事に.
> 積分の概念って何?
積分は,とりあえず1変数実数値関数の場合(つまり高校数学のレベル)では「微分積分学の基本定理」によって,「微分の反対操作」でいいでしょう.つまり変化率を表す関数がわかっているとき,元の関数を突き止める操作.
たとえば,ある棒状のものが場所によって密度が異なるとき,密度の関数の積分が,棒のある長さの質量になります.
計算だけなら「微分の反対」,意味を考えるならリーマンの定理.どっちも無味乾燥な気がして,結局「微積って何?」となってしまいますねぇ.
円の面積$\pi r^2$を半径方向に微分すると円周$2\pi r$とか,容量Cのキャパシタに蓄電された電荷$CV$クーロンを電圧で積分すると,蓄電されたエネルギー$\frac{1}{2}CV^2$ジュールとか,世の中いろんなものに,微積の関係はある.
> なぜlogの絶対値?
$\log x$が定義できるのは,$x\gt0$のときで,その微分は$\frac{1}{x}$です.
$\log(-x)$が定義できるのは$x\lt 0$のときで,その微分は$\frac{1}{-x}(-x)'=\frac{1}{-x}(-1)=\frac{1}{x}$です.
ということは,$x\gt0$のとき$\frac{1}{x}$の積分は$\log x$
$x\lt 0$のとき$\frac{1}{x}$の積分は$\log(-x)$
したがって,$x\neq 0$のとき,$\frac{1}{x}$の積分は$\log|x|$
さらに,$(\log2x)'=\frac{1}{x}$,$(\log(-7x))'=\frac{1}{x}$ などとなるので,$\frac{1}{x}$の積分は$\log|kx|$かなと思えるけど,
$\log2x=\log2+\log x$ となり,$\log 2$は原始関数にはつきものの「積分定数」ということで,$\frac{1}{x}$の積分は$\log|x|$
$x^2-x+1=\left(x-\frac{1}{2}\right)^2+\frac{3}{4}\gt0$より,$x^2-x+1$が0以下になる心配はなく,$\log(x^2-x+1)$に絶対値はいらない.
> なぜarctan?
$\tan\frac{\pi}{3}=\sqrt{3}$のとき,$\arctan{\sqrt{3}}=\frac{\pi}{3}$と書きます.
$x-\frac{1}{2}=\frac{\sqrt{3}}{2}\tan\theta$ より $\tan\theta=\frac{2}{\sqrt{3}}\left(x-\frac{1}{2}\right)=\frac{2x-1}{\sqrt{3}}$
したがって,$\theta$のときのタンジェントの値が,$\frac{2x-1}{\sqrt{3}}$なので,$\theta$そのものは,$\frac{2x-1}{\sqrt{3}}$の逆タンジェントであらわされるのです.
なので
$\tan\theta=\frac{2x-1}{\sqrt{3}}$ より $\theta=\arctan\frac{2x-1}{\sqrt{3}}$
>>積分の記事
前半は分かりました。
返信削除あとは棒の長さと円の面積と円周と...電気とあれとこれと。(^-^;)
勉強します。