以前,文科省の人の話で,
「指導要領が変わっても,教員はつねに前の指導要領のスタイルで授業をしようとする.」
というのがあった.つまり新指導要領の理念が教員に伝わるには時間がかかるというもの.
3年くらいはかかるような印象がある.
数学が I,II,III,A,B,C などと分かれたとき,指導要領では
「A,B,Cは生徒の実態に合わせて内容を選べる」
とした.かなり易しい内容もあるが,ほとんどの学校で進学に必要な内容を選んでいる.分数の計算もおぼつかないような学校でもである.
それは,「高校の数学なのだから」という教師の親切心の表れでもあるし,「自分の学校が教育困難校のままでいるわけにはいかない」との気持ちもある.
でもまぁ
「以前の教育課程どおりに新カリキュラムを組んだ」
というのがわかりやすいだろう.
教師も人間,できることしかできない.
どんなに理念が高くても,新しいことにはおいそれと踏み込めないものだ.
勢い,「いままでの内容にもっとも近いカリキュラム」となる.
自分はどちらかというと,そういったものを伝える側の仕事が多かったが,どんなに理念が高尚でも,現場の教員が実現しなければ,絵に描いた餅.
「ゆとり教育」の理念は高かったなー.でもこれは,教員も子供も楽をしすぎてしまって,いまや逆風が吹き荒れている.
さらに,その「ゆとり」を使って,一部の進学校では未履修を作ってまでの受験指導に至った.
「人を動かすのは制度ではない.感動である.」
なんて誰が言ったか知らぬが,多忙を極める教員にとって,制度が猫の目のように変わる昨今,「今までのやり方を通す」のが一番無難である.
ということで,教育再生会議でまたいろいろ制度をいじくりそうである.
まぁ,それが彼らの仕事.
「検討の結果,現状のままが最高である.」
などと結論を出すわけには行かない.
彼らは自分で教壇に立つわけには行かないので,いじくるのは制度しかない.
つまり新制度の笛を高らかに吹く.
その笛が感動できれば,多くの教師が踊るだろうが,たぶん
「笛吹けど踊らず」
だな.たぶん,新しい制度の中で,
「今までのやり方に最も近い方法を模索」
だろう.学校は一人で動くものではない.組織である.
となると「全体にとってもっとも無難な線」となるに決まっている.
その線はやはり「今までのやり方に最も近い方法」だろうねぇ.
でもこれからは踊らぬ教師は
「指導力不足でクビ」
だ.あはは.
あ.おれは要領がいいので,すぐ踊るよ.
こんなにマジメに情報Bの授業をやっている学校は珍しいと思う.
今週は暗号化.
RSA暗号をばっちり解説!
・・・とか言いながら,面倒な教科だよ.なくなるといいなぁ
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