命題 p q について,「pならばq」が真になるのは
pの条件の集合が,qの条件の集合に含まれるときである.
たとえば,
「x>2 ならば x>0」
は
P={x|x>2},Q={x|x>0}
としたとき,P⊂Qなので,この命題は真といえる.
さて,真理値表を書こうとすると,違和感のある状態が出てくる.
p q: p⇒q
偽 偽: 真
偽 真: 真
真 偽: 偽
真 真: 真
仮定pが偽のとき,結果qの真偽にかかわらず,「pならばq」は真といえる.
日常生活では仮定pが偽であることは想定しないので,そのときに結果qが何でも,「pならばq」が真というのが,一般の人には不思議なところではある.
これはまず,真理集合で考えれば明らかである.
偽の命題の真理集合は空集合$\emptyset$.
空集合はすべての集合の部分集合(空集合の部分集合でもある)であるから,
いつでも$P=\emptyset\subset Q$ となる.だから「pならばq」は真といえる.
実は,
「x>2 ならば x>0」
で考えても,この命題はxの値にかかわらず真といえる.
『x>2 ならば』といって,x=-1 を考えることはありえない.
しかし,この命題は「すべての実数xについて」言えるのである.
「すべての・・・」という言い方を述語論理という.
x=3のとき
x>2 は恒真なので真理集合Pは全体集合U
x>0 は恒真なので真理集合Qは全体集合U
P=U⊂U=Q
より「x>2 ならば x>0」は真.
x=1のとき
x>2 は恒偽なので真理集合Pは空集合$\emptyset$
x>0 は恒真なので真理集合Qは全体集合U
$P=\emptyset\subset U=Q$
より「x>2 ならば x>0」は真.
x=-1のとき
x>2 は恒偽なので真理集合Pは空集合$\emptyset$
x>0 は恒偽なので真理集合Qは空集合$\emptyset$
$P=\emptyset \subset \emptyset=Q$
より「x>2 ならば x>0」は真.
したがって,すべてのxについて「x>2 ならば x>0」は真.
「仮定が偽なら,どんな命題が結論でも,その命題は真」
というのは,有名な論理学者(ラッセルだかホワイトヘッドだったか?)が講演のときの聴衆からの質問が有名
「1=2からあなたが法王であることを証明してください.」
証明
1=2 ならば 1人の人が2人の人と同じである.ゆえに私と法王は同じであるから,私は法王である.
テストとその得点の関係のようなものだと思う.
つまり,仮定pはテスト問題,結論qは解答,真偽は得点と考えるのである.
正しいテスト問題に対して,正しい答えを書けば○(真)
正しいテスト問題に対して,間違った答えを書けば×(偽)
テスト問題が間違っていれば,どんな解答を書いても得点を与える(真)
わからんのに、わからんままに、続きをあけて、わからんまま去る(^_^)/~(笑)
返信削除つっこみ? ありがとー(^_^)/~
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