B737 のコックピットは明るく,開放感がある.
これは別に,サンルーフといったようなものではない.天測窓である.
慣性航法装置が搭載され,天測が不要となったB747より前に設計された機体にはすべて天測窓がある.そう,星の見えかたから自機の位置を把握(天測)したのである.
慣性航法装置がつく前はコックピットクルーは4人.パイロット2人と機関士,そして「航空士(航法士)」が乗務した.航空士は天測や偏流から自機の位置を計算したのである.
コックピットクルーが3人になったのは慣性航法装置がついたB747以降である.
もちろん現代の737は慣性航法装置があり,コックピットクルーが2人となったハイテク機だが,それでも天測窓が残っているのは風情があるな.
2007/08/21 追記.
天測窓ではなく,「Eyebrow Window といって,現在の目的は旋回(バンク)中の視界確保に設けられている」とも言われる.たとえば,右旋回では左座席の機長から普通の窓を見ると,地面しか見えないことになってしまうからである.
でもそうだとしたら,機体の幅が737などよりよっぽど広い777など,右旋回では737以上に視界が悪いはずなのに,「Eyebrow Window がないのはなぜか」ということになる.
さらに,737の天測窓は日光が差し込むと暑いから,パイロットには不評で,ふさいでいる機体もあるようだ.ふさいでしまえば,「視界確保説」はまったく意味がない.やはりこれは,天測窓の名残である.
機長の書いた本には「天測用の窓の名残」と明記されていた.
>追記「ナビゲータ」
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