2011年3月28日月曜日

絶対値の真髄

-3 と -26
どっちがでかい?

もちろん,-3度と-26度では,-3度の方が暖かいので,-3 の方がでかい.
数を直線状に並べた数直線でも,
-28,-27,-26,-25,-24,・・・,-5,-4,-3,-2,-1,0,1,2,・・・
で,右へ行くほど大きいのだから,-3 が大きい.

でも,気持ちとして,
「-26の方が原点より遠い・・・」
ということで,0を中心に考えれば,サイズ的には -26 がビッグな気がする.
テストでも,ときたま,「-3より,-26の方が大きい」と間違える生徒がいるが,そういう気持ちなのだろう.その気持ちはわかる.
この気持ちを,数学的に表したのが,「絶対値」である.

絶対値というと,「絶対値記号のはずし方」ばかり意識されて,機械的に
「正の数はそのまま,負の数は正の数に直す.」
ように丸暗記をしてしまう.

絶対値の意味というか真髄は,もっと素朴な,
「-3より-26の方が原点より遠い・・・」
を定式化したもの.
つまり「原点からの距離」である.>昔の試験問題
そうした観点に立てば,複素数 a+bi の複素平面上の原点からの距離は
  |a+bi| = √(a^2+b^2)
となる以外に考えられない.

絶対値などと,難しい漢字3文字を使い,記号 | | で表しているが,そもそもは人間的な素朴な発想.
「0 から遠いほうがでかい」
から発したものなのである.

つづく

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