2007年11月30日金曜日

四平方の定理

三平方の定理は有名
直角をはさむ2辺の長さ $a$,$b$,斜辺の長さ $c$の直角三角形において,
$a^2+b^2=c^2$

これの立体版といえるのが次の四平方の定理.
直方体を図のように切り,
直方体
三角形ABCの面積$S_0$,三角形OABの面積$S_1$,三角形OBCの面積$S_2$,三角形OCAの面積$S_3$としたとき,
$S_1^2+S_2^2+S_3^2=S_0^2$
を満たすというもの.

(証明)
$\mathrm{OA}=a$,$\mathrm{OB}=b$,$\mathrm{OC}=c$ とすると,
$S_1=\frac{ab}{2}$, $S_1=\frac{bc}{2}$, $S_1=\frac{ca}{2}$
より,
$S_1^2+S_2^2+S_3^2=\frac{a^2b^2+b^2c^2+c^2a^2}{4}$

一方,
$\mathrm{AB}=\sqrt{a^2+b^2}$,$\mathrm{BC}=\sqrt{b^2+c^2}$,$\mathrm{CA}=\sqrt{c^2+a^2}$
より,ヘロンの公式から,
$s=\frac{\sqrt{a^2+b^2}+\sqrt{b^2+c^2}+\sqrt{c^2+a^2}}{2}$
とすると,
$S_0=\sqrt{s(s-\sqrt{a^2+b^2})(s-\sqrt{b^2+c^2})(s-\sqrt{c^2+a^2})}$
それぞれ展開.
$s(s-\sqrt{a^2+b^2}) \\ =\frac{\sqrt{a^2+b^2}+\sqrt{b^2+c^2}+\sqrt{c^2+a^2}}{2} \\ \hspace{7mm} \times\left(\frac{\sqrt{a^2+b^2}+\sqrt{b^2+c^2}+\sqrt{c^2+a^2}}{2}-\sqrt{a^2+b^2}\right) \\ =\frac{\sqrt{a^2+b^2}+\sqrt{b^2+c^2}+\sqrt{c^2+a^2}}{2}\cdot\frac{-\sqrt{a^2+b^2}+\sqrt{b^2+c^2}+\sqrt{c^2+a^2}}{2} \\ =\frac{c^2+\sqrt{b^2+c^2}\sqrt{c^2+a^2}}{2}$
同様に,
$(s-\sqrt{b^2+c^2})(s-\sqrt{c^2+a^2}) \\ =\frac{\sqrt{a^2+b^2}-\sqrt{b^2+c^2}+\sqrt{c^2+a^2}}{2}\cdot\frac{\sqrt{a^2+b^2}+\sqrt{b^2+c^2}-\sqrt{c^2+a^2}}{2} \\ =\frac{-c^2+\sqrt{b^2+c^2}\sqrt{c^2+a^2}}{2}$
ゆえに
$S_0^2=\frac{c^2+\sqrt{b^2+c^2}\sqrt{c^2+a^2}}{2}\cdot\frac{-c^2+\sqrt{b^2+c^2}\sqrt{c^2+a^2}}{2} \\ =\frac{a^2b^2+b^2c^2+c^2a^2}{4}$
より成り立つ.

とまぁ,計算で証明するなら,多少めんどうな計算問題であるが,これを幾何学的に証明するにはどうするのだろうか.
三平方の定理なら,辺の長さの平方を正方形の面積で表現して,「面積が等しい」という形に持ち込むが,面積の平方量の幾何学表現をどうするかということになる.
面積をなんとか線分の長さに持ち込めば,あとは「正方形の面積が等しい」ということになるのだろう.

ベクトル(外積)を使えば,もうすこし計算は楽になるだろうな.

次元が上がれば,同じように成り立つ.つまり4次元の五胞体では五平方の定理,5次元の六平方の定理・・・・

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