2007年11月13日火曜日

数列

数Bで数列に入った.
今日は等差数列.

教科書の問題に
$\frac{1}{12},\ \frac{1}{x},\ \frac{1}{6}$が等差数列のとき,$x$を求めよ.
という問題があった.
3項a,b,cが等差数列ならa+c=2b という関係を使う練習問題.
3階建ての分数になったりするが,やさしい問題である.

思わず
「おぉ!こんなところに調和数列が!」
と口走る.
この問題の答えは 8 だが,このとき 12,8,6 を「調和数列」というので,ここからいろいろと与太話が膨らんでしまって1時間つぶしてしまった.

等差数列の逆数の数列を調和数列という.

6kmと12kmの平均は9km.これは「相加平均」とか「算術平均」といって,普通に平均といえばこれである.

ある地点までの往復の速さ,往路が6km/h,復路が12km/h のとき,往復の平均の速さは?
道のりが 24km ならかかる時間は往路 24/6=4時間,復路24/12=2時間の合計6時間かかる.往復48kmを6時間かけると平均の速さは 48÷6=8km/hとなる.
これが,6と12の調和平均8.
速さの平均が調和平均であることがわかっていれば,道のり24kmを全く使うことなく,
$\frac{2}{\frac{1}{6}+\frac{1}{12}}=8$
である.

このとき
$\frac{1}{12},\ \frac{1}{8},\ \frac{1}{6}$ つまり $\frac{2}{24},\ \frac{3}{24},\ \frac{4}{24}$
が等差数列になるから等差数列の逆数列が調和数列になる.

a, bの相乗平均 √ab に対して,
相加平均≧相乗平均
は有名である.
6,12の相乗平均は√(6×12)=6√2=8.48528137
9≧8.48528137≧8
であるが,一般に
相加平均≧相乗平均≧調和平均
となる.つまり a>0,b>0に対して,
$\frac{a+b}{2}\ge \sqrt{ab}\ge\frac{2}{\frac{1}{a}+\frac{1}{b}}$
これは文字の個数が増えても
$\frac{a+b+c}{3}\ge \sqrt[3]{abc}\ge\frac{3}{\frac{1}{a}+\frac{1}{b}+\frac{1}{c}}$
$\frac{a+b+c+d}{4}\ge \sqrt[4]{abcd}\ge\frac{4}{\frac{1}{a}+\frac{1}{b}+\frac{1}{c}+\frac{1}{d}}$
$\frac{a_1+a_2+\cdots+a_n}{n}\ge \sqrt[n]{a_1a_2\cdots a_n}\ge\frac{n}{\frac{1}{a_1}+\frac{1}{a_2}+\cdots+\frac{1}{a_n}}$
と一般化できる.
相加平均は別名算術(arithmetic)平均,相乗平均は別名幾何(geometric)平均

調和(harmonic)の由来はドミソの振動数比が4:5:6の等差数列で,弦の長さの比はその逆数になる.
つまり弦の長さの比を調和数列にすると,振動数比が等差数列となって美しい・・・


なんて話しているうちに,チャイム.


サイトを検索したら,これらの大小を比べるフラッシュがあった.
そのなかにquadratic mean なる平均が.
二乗平均平方根 $\sqrt{\frac{a_1^2+a_2^2+\cdots+a_n^2}{n}}$
のことである.

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