2001年10月26日金曜日

2001年 軌跡と三角関数テスト

数学Ⅱ,「図形と方程式」の章の最後の「軌跡と領域」をちょびっと.

それから三角関数全部.こちらは思考力テスト.

もちろん,高校生の思考力では,ほとんどの生徒が書けないから,9, 10, 12, 14 はレポートにした.

TeXソースとPDF

1 長さ4 の線分AB に対して,AP^2 − BP^2 = 8 を満たす点P の軌跡を求めてください.

2 x^2 + y^2 ≤ 5 のとき,2x + y の最大値を求めてください.

3 y +x^2 < 0 はx−y +1 > 0 であるための何条件?(確定条件とか絶対条件とか留年条件とか書くなよ)

4 tangent の定義と同等のsine,cosine,tangent の関係式を書いてください.

5 円の方程式と同等のsine,cosine の関係式を書いてください.

6 sin(270度 − θ) をθ の三角関数で表してください.

7 tan θ のgraph における直線θ = 90度 や反比例のgraph の横軸縦軸は,graph が限りなく近づく目標となる直線ですが,その直線の名前を漢字で書き,読み方を書いてください.

8 関数y = −sin θ +√3 cos θ について,
(1) 0度 ≤ θ < 360度 のときの最大値を求めてください. (2) 0度 ≤ θ < 360度 のときのy = 1 を満たすθ を求めてください. (3) y = 1 を満たす一般角θ を求めてください. (4) 0度 ≤ θ < 360度 のときy > 1 を満たすθ の値の範囲を求めてください.

9 直角三角形でsine で定義してください

10 (1) 一般角のsine を定義してください.
(2) 一般角における正弦の定義が直角三角形の定義を含むことを説明してください.

11 y = sin θ (−90度 ≤ θ ≤ 450度) のgraph を美しく描いてください.

12 定数A,B に対し,F(x) = Af(x)+Bg(x) とします.このとき,f(x),g(x) が奇関数ならばF(x) は奇関数であることを示してください.あたりまえのことなので,しつこく丁寧に書いてね

13 三角関数の和を積に直す公式を1 つ,加法定理から証明してください.

14 関数f(x) が単調増加とは「x1 < x2 ならば____」が成り立つことですが,たとえばf(x) = x^2 (x ≥ 0) が単調増加であることは次のように示されます. f(x2) − f(x1) = x2^2− x1^2 = (x2 − x1)(x2 + x1) である. 定義よりx1 ≥ 0,x2 ≥ 0 よりx1 + x2 ≥ 0. 仮定x1 < x2 よりx2 − x1 > 0.
したがって(x2 − x1)(x2 + x1) ≥ 0 よりf(x2) − f(x1) ≥ 0.
ゆえにf(x1) ≤ f(x2) よりf(x) は単調増加である.
この例を参考にして−90度 ≤ θ ≤ 90度 において,sin θ が単調に増加することを「単調に増加する」の定義に従って証明してください.






1. 軌跡

 教科書は座標を与えて,軌跡を求める問題だったが,同じものを「座標を与えずに」出題した.つまり答えは「言葉」で書かなければならない.表現力が要求される.

2. 領域

 領域を使って解く,基礎的な問題.

3. 領域 絵を描くことができて,必要条件,十分条件の意味を把握していれば,やさしい.

4., 5. 三角関数

 公式を丸暗記ではなく,正しく理解して覚えているか?

6. 三角関数

 自分で公式を作ることができるか?

7.

 書き取りテスト

8. 三角関数

 式変形自体は,「三角関数の合成」,あとは,方程式,不等式関係の知識や,「一般角」の表し方.まぁ教科書の問題の丸写しみたいなもんです.

9., 10(1). 三角関数

 計算はできても,それを自分の言葉で表現することは難しい.
つまり自分のやっていることを,正しく言葉で表現できる学力というものは,「答案を書く」とか「論文を書く」という能力の直結する.その初歩として「定義」を書いてもらった.まぁ,一部の能力の高い子しか書けないが.

10.(2) 三角関数

 これは話をよく聞いているかどうかのテスト.かなり説明したが,ほとんどの子は計算と関係ないから聞いていないのだろうが,書けていた子は聞いていて「ほぉー」と納得したのだろうと思う.

11 三角関数

「美しく」というのがポイント.

基本的に形が違えば,0点だが,おおまかに形があっていても,三角関数のグラフとしてふさわしいかどうかをみて,ちょっとでも不備があったら△.

不備とは

目盛りが等間隔ではなく,グラフの対称性に欠ける.

原点付近などは直線に近似できるが,直線部分が長すぎたり,折れている.

膨らんでいるべき部分がへこんでいる.

線をなぞって2本以上になっているのは,関数のグラフではない.

最大値最小値付近は,なめらかなはずだが,とんがっている.


12. 証明問題

つまり論述である.図や実例をあげても,得点にはならない.式や文だけで記述しなければならない.しかし,証明すべきことはあたりまえすぎることなので,一切省略せず「しつこく,丁寧に」書いてもらう.

13. 三角関数

「公式は丸暗記ではなく,思い出す方法を工夫せよ.」というのは授業中,何度も力説した.この公式は丸暗記はまず不可能.毎度毎度計算で作ってから,使う.だから今回のテストでは「作ってもらう」

14. 単調増加性の証明

この問題を作ったときははじめ,ノーヒントだったが,これで書けるのは3クラスで1人くらいだろう.ヒントを出せば,3クラスで5人くらいは書いてくれるかもしれないと思った.だいたい予想通りの正解数.

純粋に「式変形」だけで証明するのがポイント.つまり「論証」というものは,図や実例を一切当てにせず,文で行う.

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