2024年1月18日木曜日

ピタゴラス数をエクセルで


$3^2+4^2=5^2$ とか,三平方の定理 $a^2+b^2=c^2$ を満たす,自然数をピタゴラス数という。
この直角三角形は畳屋さんが
「部屋の直角とのずれを測るの,三四五に使う」
と言っていた。
授業で「無限にあるよ。」と話したけれど,それを見せてやろうとエクセルで作ってみた。

以前,記事に書いたが,自然数 $m$, $n$ に対して,
  $a=m^2-n^2$, $2mn$, $c=m^2+n^2$
とすると,
  $a^2+b^2=(m^2-n^2)^2+(2mn)^2$
    $=m^4-2m^2n^2+n^4+4m^2n$
    $=m^4+2m^2n^2+n^4$
    $=(m^2+n^2)^2=c^2$
となる。この $m$, $n$ に順次,数を入れると,ピタゴラス数を無限に作り出すことができる。

$m=2$, $n=1$ で,
  $a=2^2-1^2=3$, $2\times 2\times 1=4$, $c=2^2+1^2=5$

$m=3$, $n=1$ で,
  $a=3^2-1^2=8$, $2\times 3\times 1=6$, $c=3^2+1^2=10$
は$m=2$, $n=1$ の倍の大きさになっただけ。

$m=3$, $n=2$ で,
  $a=3^2-2^2=5$, $2\times 3\times 2=12$, $c=3^2+2^2=13$

$m>n$ で,順に並べるエクセルの数式を考えた。

$m$ の数式。
$n$が$m$より 1 小さい状態になったら,$m$に1を加えて次の番号に進む。でなければ,$m$は変えない。

$n$ の数式。
$n$ に1加えた数が $m$と等しくなったら,1に戻る。でなければ,$n$ に1を加える。

あとは,1行完成すれば,次の行以降はコピーするだけ。


できあがった,3つの数で,互いに素(最大公約数が1)であるものをフィルターして,

$m$を 100以下まで作ってみた。
最終行は 4951行目。印刷プレビューをしたら,54ページにもなった。

1ページ目と,最終ページのみ印刷して配布。

表を見て気づくこと。
$m$, $n$ は偶奇が異なる。
偶数同士なら,2で割った $m$, $n$ が既出
奇数同士なら,$m^2$, $n^2$ はそれぞれ奇数だが,その和と差は偶数で,$2mn$ は当然偶数で半分のピタゴラス数が既出。

$a$, $b$ のどれかは3の倍数,どれかは4の倍数。
$a$, $b$, $c$ のどれかは5の倍数

$3^2+4^2=5^2$ は3つがすべて,3, 4, 5 の倍数に分かれるが,最終行は
$b=19800=3\times 4\times 5\times 330$ である。


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