2023年2月24日金曜日

黒板とチョーク

昨日,引用した数学セミナーの連載.
「悪魔の数学辞典」が毎月楽しい.

1月号にあったのが,
「黒板消し」
黒板に書かれた情報をクリーム色の粉塵に変換する道具.いかなる偉大な定理やエレガントな証明も,この大宇宙においては塵のような情報の断片にすぎないということを教えてくれる.

学校でも,特別教室の多くはホワイトボードになりつつある.
先日「全教室,ホワイトボード化」について,意見を求められた.数学科は皆「どっちでもいいけど,どっちかというと黒板がいいなぁ」という感じ.
もちろん,「全教室,ホワイトボード」を希望しても,すぐには予算はつかないだろうが,時代の流れでいずれは.

そもそもホワイトボードの書き味はあんまり好きじゃない.
だいたいホワイトボードは,マーカーインクがなくなったものの区別がつかなくてイライラする.(チョークは短くなるからわかる)
自分はちょっとでもかすれたものを見つけたら,まだ何とか書けそうでも,すぐに捨てる.
「えぇい!ジャマしやがって!」
全教室,ホワイトボードになったら,全教室にマーカーの新品を100本常備してくれないと困る.
さらに,ホワイトボードでは,なめらかすぎて点線を高速にひけない.>以前の記事「熟練のワザ」

そういえば2015年の羽衣チョーク廃業は,世界の数学者に激震が走った.>「このチョークで計算ミスすることは不可能」とまで数学者に言わしめた日本のチョークとは?
今は韓国の会社が事業を引き継いで,ひと安心.
黒板・チョークにこだわるのは数学くらいだろうな.
10年前に見学した,カブリ数物連携宇宙研究機構でも,「数学の人は黒板好きが多い」と言っていた。2015年はチョークをストックしたのだろうか。

ホワイトボードになったら,数学の教員は廃業します.
でも,そのころには,タブレットの画面に解説して,生徒のタブレットに転送だな.
って,前の学校でやった情報の授業はそれに近いものがあった.

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