2007年4月11日水曜日

夢はでっかく

朝,学校の机に
「本日オリエンテーション1時間目に進路部より講話お願いします.4番目です.(1学年主任)」
のpost it が貼ってあった.
一瞬,目が点に.
そういえば先週,そんな打診があったのを思い出した.1時間目はあいていたので,「うん.いいよ」と引き受けた.
今年,貧乏くじをひいて,進路部長になってしまったのだった.
だいたい,仕事を頼まれて拒否したことはない.なんでもかんでも軽く「うん.いいよ」と引き受けてしまう・・・もう癖だな.
そもそもシンロブチョーだって,職員室での雑談の中で教頭が「くろべえさんが引き受けてくれたら・・・」がジョークだと思って「いいっすよ」と口走ったのが運の尽き.
数学部会役員だって,教科書の編集だって,高体連の常任委員だって,組合の分会長だって,「うん,いいよ」の結果だ・・・

さて,生活指導部長,教務部長,保健につづいて,4番目・・・って最後じゃん.皆さんキビシイ話をしたので,こんな話をした.





皆さんは「夢」はありますか?
夢はでかければでかいほどいいですよ.

仮に,人間は持っている夢の夢の1%がかなうなら,夢の大きさが100の人のかなう夢は1だけ,ところが夢の大きさが1億ならかなう夢は10万にもなる.
どうせかなわないんだからで,とてつもない夢を持ってください.

たとえば,「アメリカの大統領になる」という夢でもかまいません.
「え~,そんなのできるわけないじゃん」
と思った人.その人には無理です.あきらめてください.「無理だよ」と思ったら100%無理です.
「え?そうかそんな人生もあるか?」
とちょっとでも思った人! 可能性あるぞ.100%無理ではないです.わずかですが,可能性はあるはずです.
可能性を信じて努力した人は,仮に夢がかなわなくても,その努力が豊かな人生につながります.

夢を夢で終わらせるか実現するかの差は,「目標」が立てられるかどうかになります.
夢に向かって,人生の目標を立ててください.
さて,長い人生これからどうなるからは誰にもわかりませんが,もう少し現実的に.

生涯賃金という言葉があります.一人の人が一生の間に受け取る給料です.
正社員とフリーターの生涯賃金の差はどれくらいか知っていますか?

フリーターは5千万円です.
「え,フリーターでもそんなに稼げるの?」
とは思わないように.30年間でたったの5千万円です.その額では日々の生活に追われて終わりです.
平均の生涯賃金は大卒で3億円、短大卒2億8000万円、高卒2億7000万円,フリーターとの差は2億円以上になります.

もちろん,お金をもらうことが人生の目標ではありません.
人は一人では生きていけません.社会の一員です.仕事をすることは社会の役に立つことです.
人のためになると,それが人生の喜びにつながります.そして,それに対する報酬で食べていくわけです.

そのための準備期間としての高校生活になります.高校を卒業したら,大学,専門学校,就職といった進路があります.
「高校受験を終わったばかりなのに,また進路の話?」
と思うかもしれません.しかし,日々の生活が進路に直結するので,最初に話しておきます.

就職は,すぐに社会に役に立つことができます.
就職しなければ進学です.高校からの進学先には,大学と専門学校があります.その違いは何でしょう.
専門学校は「すでにある仕事の技を学ぶ場所」といえます.大学は新しい仕事を作る教養を身につける場所です.

たとえば携帯電話は,私の子供のころには存在すらしませんでした.こういうものを作ったのは大学を卒業した人たちです.それまで存在しない仕事を作り出して社会に貢献するには大学を卒業するくらいの教養が必要です.
それに対して専門学校は,すでに存在している仕事を学ぶ学校で,勉強する内容はその仕事に直結します.したがって,就きたい仕事がなければ進学できません.

進路の目標を立てるといっても,大学に進学するには,得意分野がわからなければ難しいですし,専門学校の場合は,自分がどんな仕事に就きたいかがわからなければ意味がありません.
といっても,諸君の年齢でそれがわかる人はまずいないでしょう.何が向いているのか,自分がどんな人間なのか.すっかりわかってから準備を始めたら,おそらく準備をする前に一生が終わります.
ではどうするか.
結局は,目の前にあることに,地道に努力をするしかありません.

私は数学の教員ですが,学校で習う数学がいったい何の役に立つのかを考えても,みんなにはわからないはずです.
数学に限ったことではありません,普通教科はすべてそうです.普通高校では,仕事に直結する勉強はしません.普通高校や大学で学ぶものは,「教養」です.特定の仕事に直結するものではありません.
しかしそうして積み上げた豊かな「教養」が,人物を豊かにし,豊かな人生につながるのです.

ですから,自分がどんな人間なのかを知るために,日々の学校生活に,部活に勉強に全力で取り組んでみてください.その努力が人生を豊かにします.

勉強に関して言えば,どの大人も「もっと勉強しておけばよかった」というはずです.
あるいは皆の中にも「中学のときもっとやっておけばよかった」とすでに思っている人もいるかもしれません.
これはほとんど誰でも,一生思い続けます.私も思っています.過ぎた時間は取り戻せませんが,これからの時間を使って,すこしでもその思いを減らすことができます.
それには,目の前のことに,全力で努力するしかありません.

ぜひビッグな夢を持ち,それに向かうため一見無関係と思える目の前のことに,全力で努力をして,有意義な高校生活を送ってください.

2 件のコメント:

  1. うう~みゅ、良い話だ~ (^^)
    BOTEは就職してからもう一度大学入って勉強しなおしたいと真剣に考えたことがあります。
    考えて実行できなかったのですが・・・
    勉強って面白いですよね~ (^^)
    その面白さ、学生のうちに実感できたらいいですね。

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  2. ありがとうございます.

    同僚の英語の先生が,2年間休職して大学院に行くことになりました.
    小さい子供2人のシングルマザーなのに,思い切ったことするなー

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