「同じ軸」って何だろう.
と思っていた.
「芯線と編線の中心軸が同じというだから同軸」ということを,最近知った.(先月読んだ「高校生でも分かるマクスウェル方程式」)
電線に電流が流れると,電線の周囲に磁界と電界が発生する.
電線は行きと帰り,2本が必要で,その2本の電線が近ければ,電界と磁界は打ち消される.
交流を送電する場合,周囲に発生する電界と磁界はすなわち「電磁波」である.
電磁波が漏れると,その分エネルギーのロスになる.
2本の電線が波長に比べて十分に近ければお互いの電界と磁界の位相は逆だから打ち消しあって,漏れるエネルギーが少なくなる.
「近い」といっても限度がある.ぴったり同じにするわけにはいかない.
50Hzの家庭用電源の波長は6000kmなので,線の間隔6kmでも波長の1/1000でたいしたことはないが,VHFテレビの波長は1~3m,2本の線の幅1cmでも波長の1/100ていどになってしまう.
ディジタル放送に使われる UHF では波長50cm程度なので,普通の平行ケーブルを使うと電波が漏れ漏れでロスが大きい.
磁界と電界は電線を中心に発生するので,2本の電線の「中心軸を同じ」にすれば,「2本の電線の距離が0」と言える.こうすれば,電磁波の位相が完全に逆になり,理論的には漏れる電磁波は位相が逆で打ち消しあい,電磁波が漏れることによるロスは少なくなる.
つまり2本を平行にするのではなく,「中心と少しはなれた外側」にすればいいという発想.
これが「同軸」ケーブルだったのだ.
へー
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