2000年7月26日水曜日

シビルユニオン法と生物の多様性

アメリカバーモント州で同性同士の結婚を認める法律が施行された.住民の半数が反対しているそうだが,反対が半分というのはかなり人権に対する感覚,マイノリティを認めようという前向きな感覚の住民が多いと思う.
マ イノリティの権利が認められるというのはすばらしいと思う.戸籍上の夫婦というのは書類上のことだけではなく,それによって得られる法的社会的な恩恵とい うのは莫大で,男女の夫婦のみならず,性別に関わりなく家族を構成してその恩恵に浴することが出来るようになるわけだ.

さてこの法律.人間のあり方の根源に迫るものがある.
反対している人の考え方は「夫婦が社会を作る基本」ということで,「それが生物として自然だ.」ということだと思う.
僕は逆になぜ人間以外の生物が異性同士のカップルにしかならないかを考えたとき,明日の命や種の維持も不安な生き物にとって,同性のカップルはそのまま種の絶滅につながるからだと思う.
そ れじゃ人間もそうなると反論をするがシビルユニオン反対の人だと思うが,僕はそうは思わない.人類が100年くらいまえまで,同性のカップルが生まれな かったのは,社会が物質的にも貧しく,マイノリティでは明日の命の維持も難しかったからだと思う.貧しい途上国では同じ理由でいまだにマイノリティは社会 から抹殺されつづけている.
物質的にも精神的にも余裕のある現代の先進国では,これも「生物の多様性」と考えていいいのではないだろうか.多様で あることが種としての強さになる.多様性を排除すると種は弱くなるのが生物界での常識.雌雄によって遺伝子をシャフルして多様性を生み出すことによって生 物は強くなる.そのシャッフルが同性愛という多様性を生み出したとしても不思議なことではない.また同性愛を法律で認めても,同性愛は多様性の一つでマイ ノリティのままで,それによって種としての人類が絶滅する心配はないだろう.先進国で出生率が下がったり同性愛が増えても,途上国では人口がふえているか ら大丈夫.
特に日本人は希望や生きる意欲を失っているから,途上国の目を輝かせた移民をたくさん受け入れて,国内を活性化すべきだとも思う.そう すればいままで多民族国家であるにもかかわらず「日本は単一民族国家」などという勘違いに排除されつづけたマイノリティの人たちの権利も認められるように なるかもしれないし,いわゆる島国根性をたたきなおすきっかけにくらいにはなるだろう.
人類は文明を持ち,この文明がもたらす社会制度がいままで このような多様性を阻害していたと思う.シビルユニオン法はその多様性を認める画期的な制度だと思う.すべてのマイノリティに差別なく権利を保証するのが 法のもとの平等だ.さてここ日本ではどれだけのマイノリティーの人々が,差別に苦しんでいるのだろうか.

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