2011年11月11日金曜日

研究授業

初任者研修で研究授業があって,参観.
微分のところ.
まぁ,突っ込みどころ満載.

最初は,定義に従った微分の復習.
「lim 2x+h.で 0を入れて,2x」
0を入れたらまずいでしょう.結果は同じかもしれないけれど,そこはこだわらないと.


「lim (0/h) だから 0」
定数関数なのだから,「図より明らか」でいいじゃん.

さらに, f(x+h) はf(x)において, xにx+h を「代入」したのではない.置き換えということだが,正確には f(t),t=g(x)=x+h という合成関数なのである.その辺は意識しているのだろうか.
知っていてしゃべらないのと,知らないのとでは雲泥の差である.


「f´(x) エフダッシュエックス.」
これは,特に否定しないが,自分は,ダッシュと読みたくない.
ダッシュは「 ― 」という記号.英語には3種類の横線があってハイフン -, マイナス-,ダッシュ ―
´をダッシュと読むのは,日本の数学の教員だけかな.もちろん自分もダッシュと習ったが.
wikipedia には
イギリスの影響を受けた国(日本やインドなど)ではダッシュと呼ぶことも多い(ただ、イギリスでは、ダッシュという読み方は今や死語と化しており、プライムと読んでいる)
とあった.これはもう,「日本の文化」として定着しているのかもしれない.
大学では半分くらいの人がプライムと読んでいたし,英米人は prime と読むから,自分も真似している.しかし,自分に教わった次の年に,他の先生がダッシュと読むだろうから,生徒は迷惑かな.

ついでに,f(x) は 「エフエックス」が多数派とは思うが,自分は エフオブエックス.エフエックスなら,fx である.

多重かっこ.
自分は中カッコcurly brace { } は嫌い.かっこの種類は parenthesis のサイズを変えるだけで,何重カッコでも記述する.>過去の記事


微分の線形性の証明が教科書には出ている.それを説明していたが,証明はいらないだろう.結論だけでいいと思う.
lim の性質も保証していないのに,証明というのは変な感じだし.

で,その「結果を使って,練習問題」とは言っても,公式ではなく,「線型」なのだから,自分は「当たり前に成り立ってほしいことが成り立つことが保証されてよかったね」ということにするな.
過去の記事にも書いたが,線型は人間にとってとっても素直で自然な性質だから,練習で身につけるだけで十分と思う.
でも,
「理系ならこの証明を理解して再現できる『計算力』がないとだめよ.」
とはいう.やっていたクラスは文系.
進学校にいたときは,ばっちり証明して,テストにも出したな.


(x)'=1 は「傾きから明らか」でいいでない?
絵を描けば明らかに言えるし.

(x^n)'=nx^(n-1) の公式では,(x)'=1 も含んでいることを説明していたが,ついでに 1' = (x^0)' = 0x^(-1) =0 を言ってもよかったかな.黙っててもいいか.

自分の授業は「ちなみに・・・」が多すぎて情報量が多すぎて,生徒が迷惑する場面があるから,黙ってて正解かな.

「導関数って何?」と聞いていた生徒がいた.
「そこまで戻るの?」
なんて言っていたけど.
つまり,平均変化率の極限を取るときに,定数 a における平均変化率ではなくx の周りの平均変化率の極限が導関数ということだから,まさに,「そこまで戻るの?」という気はする.
でも,
「傾きを表す関数だよ」
で済ませればいいだけの話だと思う.

もっと,「微分は傾き」をそこここに入れて授業すればよいと思った.
たとえば,y=x^2 の x=1の傾き,2の傾き,3の傾き・・・・とするとつねに x の2倍の値になってるよね.
という感覚が導関数の感覚だからである.

修行が必要だな.

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