2004年3月24日水曜日

「0で割る」に見る科学的態度

「0で割る」の議論のおかげで私のページが引用され,先週の「アクセス大噴火」につながったのだが,その掲示板でいまいち議論がかみ合わない.その原因は「科学に対する態度」ではないかとも思っている.
どうも世間一般の人の数学や科学に対する「信仰心」は篤く,「数学的事実はすべて真実である.」とか「数学は答えがあるもの」と信仰しているように思える.
数学をかじったことのある私に言わせれば,数学や自然科学は単なる仮説の集合体に過ぎず,真実などはない.

真実とは「人類皆平等」とか「命は大切」とか「愛は地球を救う」とかたくさんあって,それを追求するのが人生だと思うし,哲学や宗教の存在意義はそこにある.
しかし,自然科学の専門家はだれも「真実を追究している」とは思っていない.その分野で追求するのは「より合理的な仮説」にすぎない.
ようするに「いまのところこの理論が一番合理的かな?」という程度.

掲示板の議論では専門家と思われる人は「0で割る計算は定義できない」で一致しているが,一般の人はいろんな実例でいろんな理由をつけ,なんとか「答」を出そうとしている.
そう,「答えがない」のが納得できないようなのである.
専門家は「『÷0には定義できない』でなんら不都合は起きないから,そのままほっとけ」「なにか不都合が起きたらそのときに考えるから,今は関係ない」って感じで,それ以上のなにか哲学的な「真実」に対しては無関心なのである.
それにたいして一般の人々は「÷0」に何か哲学的な真実(答え)をなんとか見出そうと無駄な努力をしているのだなー

もう一度断言する.数学,ひいては自然科学に真実などはない.
数学や科学に真実を追い求めてはならない.
そんな暇があったら,人生の価値を追求せよ.

でも数学はたのしいなぁ・・・(^^)
参考> 0で割る計算

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