2022年11月22日火曜日

制限

JR貨物が電気機関車EF200を6000kWに作ったのは,貨車32両1600トンを牽引するためだった。
1500V で,4kAの電流となる。

電車のパワーは技術があれば,モーターのパワーをいくらでも増やせるはずではある。
もっとパワーを増して,5000トン牽引とかもできそうだが,なぜ32両か。
レールと車輪の粘着力もあるが,最大の理由は,東海道線の待避線の長さから制限された。

ところが,旅客会社から
「そんなパワー使ったら,変電所が持たない。4500kW以下にしてくれ」
となり,直流1500Vで,3kA以下に抑えた運転となり,せっかくのハイパワーを生かせぬ機関車となった。
こうした理由で,JR貨物の貨車の最大の長さは,26両1300トンとなっている。
これなら4000kWも不要で,次のEF210 桃太郎は 3540 kW (30分定格)となった。

6000kWで使うなら,すべての変電所の改修が必要となってしまう。
ただし,荷物を一切載せない回送なら,待避線マックスの32両を引くことができる。

総武線快速はE217系15両の編成出力は,95kW×4軸×6両=2280kW だった。
モーター1個 95kW が1両あたり4個で,15両編成は 6M9Tなので。

で,最近走り始めた E235系は140kW×4軸×8両=4480kWとなった。
モーター1個 140kW が1両あたり4個で,15両編成は 8M7T。
E217系の2倍近い。

この出力を知ったとき,
「あ。ほぼ変電所の容量から決まる最大出力」

編成出力はこれが最大だろう。
過去に,JR貨物に要求した制限だからな。

待避線の長さだったり,変電所の容量だったり,技術の限界以前に様々な制限がある。
新幹線の編成出力は1万kWを超える。

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