インピーダンスが等しくないと,進行波の一部が反射してロスになる.その値を SWR(定在波比)という.
電圧Vで測るので,VSWR(電圧定在波比)ともいう.
たとえば,
進行波電圧=10V
反射波電圧=2V
のとき,
VSWR
=(10+2):(10-2)
=12:8
=1.5:1
と計算される.
「比」だから,「1.5:1」というのが正式なのだろうが,普通に
「SWRは1.5だな」
てな具合に言う.もともと「比=分数=割り算」なので,
12:8=12/8=12÷8=1.5
であるから,「1.5:1」を「1.5」と言っても数学的には全く同じ.
さて,
VSWR=(進行波電圧+反射波電圧)/(進行波電圧-反射波電圧)
という公式なわけであるが,
反射波電圧=0V
なら,
VSWR =(10+0)/(10-0) = 10/10 = 1.0
が最良で,すべてのエネルギーがアンテナから輻射されてロスが無い.
SWRのメーターがついているときは,反射が皆無でメータが全く振れないときに最良の1.0ということである.
全部反射すると無限大になる.
VSWR =(10+9.9):(10-9.9) = 19.9:0.1 = 199:1 = 199
(反射波を測るメータの目盛は1~∞となる)
でも,なぜ
(進行波電圧+反射波電圧):(進行波電圧-反射波電圧)
と決めたのかなー
(反射波電圧)÷(進行波電圧)
でも,よさそうだけれど・・・
でもこれだと,0~1 の値しかとらない.
つまり 0 が一番よくて,1が最悪(100%反射)で,反射波を測るメータの目盛は0~1となる.
「最悪が1」
というのは悪そうな感じがしない?
あるいは,
(進行波電圧-反射波電圧)/(進行波電圧+反射波電圧)
だとどうだろうか.
進行波電圧=10V
反射波電圧=2V
なら,
(進行波電圧-反射波電圧)/(進行波電圧+反射波電圧)=8÷12=0.66
進行波電圧=10V
反射波電圧=0V
なら,
(進行波電圧-反射波電圧)/(進行波電圧+反射波電圧)=10÷10=1.0
が最良.
進行波電圧=10V
反射波電圧=10V
なら,
(進行波電圧-反射波電圧):(進行波電圧+反射波電圧)=0÷20=0.0
が最悪.
これだと,最悪が0,最良が1.まぁ,0だと,「まったくアンテナから輻射されない」感じがしてよいかも.
でも,反射波を測るメータの目盛は1~0となって,メータが振れるほど値が小さくなるというなんだか変な感じ.
やっぱ,反射波を測るメータの振れない SWR=1で「いいねぇ.」,マックスに振れる SWR=∞で「げ,最悪~!」に慣れているな・・・
電圧定在波比(VSWR)以外にも同じ事を言う表現はいろいろあって,特に我々がよく使うのはリターンロス(RL)です.他にも反射係数(Γ)とか反射進行電力比(Pr/Pf)とかがあります.アマチュアの場合にVSWRがよく使われるのは,インピーダンス比がそのまま出てきてわかりやすいためではと思います.
返信削除なるほど,それぞれ意味があるのですね.
返信削除たしかに,VSWR=インピーダンス比なのはわかりやすい.
式の本来的意味を考えるのはすばらしいことだと思います。(意味を考えずパクリの多いネット社会で)
返信削除進行波と反射波の合成で定在波ができます。ホイヘンスの重ね合わせの原理。そのときの、山の最大と谷の最小の比が定在波比です。進行波と反射波から定在波ができるというイメージがあれば、この式は特に違和感なく、そのままだと思うのですが
ホイヘンスの重ね合わせはわかるのですが,
返信削除> 山の最大と谷の最小の比
これは,定在波の正弦波の山と谷ですか?それとも進行波の山と反射の谷・・・?
刻々変わる正弦波の山の最大は谷の最小と符号が違うだけで,絶対値は同じだと思うのですが.
すいません,工学は素人なので,理解力が不足しています.
くろべえさん、その後の書き込みがあったこと気づきませんでした。すみません。
返信削除(反射波電圧)÷(進行波電圧)では刻々と変化するので、測定が困難です。
合成波ならネオン管とか、ローゼンシュタイン電圧計で測ることができます。
ローゼンシュタイン電圧計でググルと無線工学の国家試験の問題にあたります。ご参考にされてください。
「給電線上を移動」させたときの電圧の最大,最小なのですね.
返信削除意味がわかりました.