2010年11月2日火曜日

数える

数を普通に1,2,3,・・・と1秒に1つずつ数えたら,1時間で86400,1年で31536000,100年で3155760000までしか数えられない.

1分ですべての自然数を数える方法.

まず,1/2分 = 30秒 かけて,最初の数,「い~~~~~ち」と数える.
次に 1/4分 = 15秒 かけて,次の数,「に~~~い」と数える.
つづいて,1/8分 = 7.5秒 かけて,「さーーん」と数える.
1/16分 = 3.725秒 かけて,「4」と数える.
1/32分 = 1.6625秒 かけて,「5」と数える.
以下同様に,数字が増すごとに,数える時間を半分にしていくと,1分間ですべての自然数をいうことができる.
「最後のほうは,ちょっと早口になるけどね.」
「え~~~??」

n まで数えるのにかかる時間(分)は,
Tn = 1/2 + 1/4 + 1/8 + ・・・ + 1/2^n
で,
Tn=1-1/2^n <1
より,n→∞ なら,1/2^n→0 より,Tn→1 だから.


ところが,
Hn = 1 + 1/2 + 1/3 + 1/4 + 1/5 + ・・・ + 1/n
は∞に発散する.(調和数列の和は発散する.)
Hn > log n
であることは,数III の教科書の練習問題になっている.

絵より,1 + 1/2 + 1/3 が,1≦x≦3 の 1/x のグラフより上にある.
1≦x≦3 の 1/x の面積は
 ∫1/x dx = log 3
なので,
 1 + 1/2 + 1/3 > log 3
つまり,
 Hn > log n
log n は無限に大きくなる関数だから,それより大きなHnは発散.

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