2006年12月24日日曜日

「直線の方程式」って何よ

円の方程式なら,円の定義「定点から距離が一定の点の集合」だから,「定点(a, b)からと一定の距離r」 と 「2点間の距離の公式」 から方程式が求まる.

ところが直線の定義ってなに?
どうして方程式が1次式ってわかる?


教育的配慮をした流れでは,中学校で「比例のグラフ」が原点を通る直線となる「事実」から出発する.
そして,「傾き」の概念やy切片といった,関数的考えで直線の方程式を作る.そこから2点を通る直線の傾きなどを計算して「2点を通る直線の方程式」を作る.
この計算では,はじめから「直線は1次関数である」として文字定数を含む1次式にに当てはめ,文字定数の値を求める形になっている.
直線が1次式になる根拠を示す場面はない.


幾何学には直線の定義はない.論理的にはユークリッドの公準から出発するしかない.


ユークリッドの公準
「任意の一点から他の一点に対して直線を引くこと」
が可能であることを要請している.
つまり2点を通る直線が先に保証されている.

ここから論理的な流れで「直線の方程式は1次式である.」ことを示すには,ベクトル的考えと,分点の考えの2つの流れがあるかな.
(もちろんこんな論理的な流れが教育的ではないのは百も承知)


2点を通る直線上に点P(x,y)をとったとき,x と y の関係が直線の方程式となるわけだ.

たとえば,2点がA(1,2)とB(3,-4)の場合,それを通る直線上の点をP(x,y)として,その関係を求める.

ベクトルの考えでは,方向ベクトル$vec{d}=\vec{AB}=(2,-6)$に対して,$vec{p}=\vec{OP}=(x,y)$が,実数$t$で$\vec{OP}=\vec{OA}+t\vec{AB}$とあらわされることを使う.
つまり $(x,y)=(1,2)+t(2,-6)$より2つの式$x=1+2t,\ y=2-6t$が出て,$t$を消去すると,1次方程式が導かれる..

内積を使ってもいい.方向ベクトルに垂直な法線ベクトルは(6,2)と$\vec{AP}=(x-1,y+4)$なので内積が0となる.
$(6,2)\cdot(x-1,y+4)=0$から直接1次方程式が導かれる.

計算は簡単だが,ベクトルの知識を要する.

これに対して,内分点,外分点の考えで作ればベクトルは不要.
直線上の点は,2点を内分,外分する点の集合であることから求める.

2点A,Bを t:1-t の比に分ける点は
$x=1(1-t)+3t=2t+1$,$y=2(1-t)-4t=2-6t$
分点の場合は,特に「外分点が存在しない比」になるときを細かく議論しなければならぬところが多少やっかいではあるが,出てくるtの式はベクトルのときと同じではある.

結局,「直線の方程式は1次式」というのは結構面倒な手順を踏まねばならぬから,教育的には「比例は直線」という事実から出発して,そこには目をつぶる.

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