飛行機は好きなので,いろいろ本は読んでいる.
たまたま本屋で目に止まったので.
昔の飛行機の操縦席には必ずいたナビゲータ(航空士)のことが詳しく出ていた.
その存在は知っていたけれど,せいぜい,
「B747 以降, INS(慣性航法装置)でナビゲータは乗らなくなった.」
くらいの知識しかなかった.>以前の記事「天測窓」
B747 が出た当時,それ以外の機体にはナビゲータも乗務していた.
ナビゲータは星や太陽の位置を天測し,現在地を決定する専門家である.
地上の電波標識の届く間はすることのがないので,離陸後1時間くらいは読書などしてお客さん状態.
洋上で電波が届かなくなると,一定時間ごとに天測しパイロットに針路を指示する様子が書かれていて,興味深かった.
技量が必要な職で,目的地の50km 以内に誘導出来ればかなり優秀で,下手だと300kmくらい離れた場所につれて行かれたようだ.
数学の三角関数はそもそも,大航海時代,陸の見えない大洋のど真ん中で天測により現在地を知る計算方法だったのである.
今のハイテク機のコックピットは2名乗務で,一昔前までフライトエンジニアを加えた3名だった.
B747 の前まではさらにナビゲータを加えた4名で,更に昔は通信士も乗務してコックピットは5名だったなんてことが書いてあった.
パイロットに通信士の免許を取得させて,まずパイロットが通信をするようになり,INS によって天測が不要となり,コンピュータによる自動化でフライトエンジニアが不要となったわけだ.
さて,この本の面白さは,飛行機の安全に対する著者の思いだろう.プロフェッショナルとは何かを考えさせてくれる.
>追記「針路 進路」
そのいらなくなった通信士(C4といいます)の免許はもっていたりします.
返信削除通信士が必要な航空機は今や海上保安庁の一部の機体と,どでかい
アントノフくらいらしく,国内ではほとんど需要がないです.
私の免許番号は通し(年度はじめに1から始まるのではなく,
制度が始まってからの通番)で二桁です.笑
通番2桁!
返信削除「通信業務は基本的に操縦士がやるので、今となっては、ほとんど、実用性のないマニア向けの資格。」
だそうで>航空通信士 技能証明
フライトエンジニアは,大型レシプロ機(B29とか)でエンジン故障した時,翼の中を這ってエンジンまで行って,飛行中に修理したというのをどこかで読んだことがある.