2006年8月2日水曜日

単車のステアリング

ステアリングの切れ角についての考察.

二輪車はほとんどステアリングを切ることなく,カーブを曲がる.
これは車と違って,
1.ハンドルに車輪が直結していること
2.二輪車のホイールベースが短いこと
3.車体を曲がる方に傾けると,それだけで余計に車輪の向きが変わる
ということで,ほとんどハンドルを切らずにカーブを曲がるようにみえるが,実際はもちろんわずかに切っている.

車体に対して車輪の向きをθ=45度まで切ると,後輪はホイールベースLと同じ半径Rの円を廻る.
つまり tanθ=L/R で半径RがホイールベースLに比べて大きいほど,車輪の角θは小さくなる.


半径100mの円周を走るなら,ホイールベース3mのとき,車輪の切れ角は1.7度程度である.
しかし,乗用車のハンドルは車輪の切れ角の10倍くらいの角度を回さなければならないので,ハンドルは17度.
半径20cmのハンドルなら円周方向に6cmほど動かさなければならない.

これに対して,半径100mの円周を走る二輪車のホイールベースが1.5mのとき,車輪の切れ角は0.85度程度である.
これはこのまま,ハンドルにダイレクトにつながっている.
長さ80cm のハンドルなら,ハンドルの両端を1.2cmほど回せばよい.

実際は車体を傾けるので,それより少なくなる.
極端な例として,車体を90度に傾けたときを考えると分かりやすい.車輪の接地点は完全に真横を向く.
つまり傾けるほど,「真横」に近づくわけだから,バンクが深いほど,ハンドルの切れ角は小さくて済む.が,もちろん0になるわけではない.

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