2025年8月28日木曜日

ウェイソン選択課題

 「ウェイソン選択課題」というのか。4枚カード問題ともいうらしい。(wikipedia)

ときどき授業で論理クイズで出していたけれど,そんな名前があったのね。
片面には数字,その裏にはアルファベットが書かれた4枚のカードが置かれている。
置かれたカードは,「8」「3」「A」「T」が見えている。
このとき「片面に母音が書かれているならば、その裏面は偶数」という条件を確かめたい。
そのためにひっくり返す必要があるカードはどれか?
つまり,
 「8」「3」A」「T」
が見えるとき「母音の裏が偶数」をチェックするにはどれをめくるか・・・
全部めくればいいわけだが,最低限どれかなということである。
とりあえず,母音Aの裏をチェックするとして,あとは・・・
なかなか難しいが,文脈を変えると,1秒で解ける。

少し変えて
片面には数字,その裏にはアルファベットが書かれた4枚のカードが置かれている。
置かれたカードは「24」「15」「A」「T」が見えている。
このとき「片面に母音が書かれているならば、その裏面は20以上」という条件を確かめたい。
そのためにひっくり返す必要があるカードはどれか?
にしても,まぁ,難しさは変わらない。

これを
片面には年齢,その裏にはその年齢で飲める飲み物が書かれた4枚のカードが置かれている。
置かれたカードは、「24歳」「15歳」「お酒Alcohol」「お茶Tea」が見えている。
このとき「お酒Alcoholを飲んでいるならば20歳以上である」ということを確かめたい。
そのためにひっくり返す必要があるカードはどれか?
に変えると,「お酒Alcohol」「15歳」を調べればよいのは1秒でわかる。
お茶Teaに年齢制限はなく,20歳以上に飲み物の制限がないから,制限のある「お酒Alcohol」「15歳」だけをチェックすればよいからである。

論理的には,「お酒Alcoholを飲んでいるならば20歳以上である」から,まず「お酒Alcohol」を調べる。
そして,それと同値な対偶「20歳未満ならばお茶Teaを飲んでいる」を調べることになる。

つまり最初の問題は母音「A」奇数「3」を調べればよい。
まず,「母音の裏が偶数」であるか母音「A」を調べる。
論理的には「母音の裏が偶数」という条件には「子音の裏の制限はない」(お茶に年齢制限はない)から子音(お茶)Tの裏を調べる意味はない。
そして「母音の裏が偶数」の対偶「奇数の裏は子音」を調べればよいことがわかる。
偶数の裏の制限はない(20歳以上に飲み物の制限はない。)から偶数(24歳)8の裏を調べる意味はない。

抽象的な論理問題を社会ルールにするだけで正答率がぐっと上がるという面白い現象が起きる。心理学でもある。

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