2011年12月4日日曜日

有限確定値

変な言葉「有限確定値」.受験数学には多用される語.
「定数」とどう違うのかね.

「極限が有限確定値」という言い回しを見る.
「極限値を持つ」「収束する」
じゃだめなのかな.

「極限が正の無限大に発散する」ことがあるから「有限」という言葉を使うのだろうか.
極限値と言ってしまえばいいことだのだが.無限大は,変数の状態であって値ではないから,混同することはない.

あるいは (-1)^n のように「極限が振動」することもあるから,「有限」だけでは言い足りなくて,「確定値」という言葉を使うのかな.
そうだとしても,一言「定数」あるいは,「極限値」で片付くはずだと思うのだが.
そもそも,(-1)^n は -1,1 に「有限確定」したとは言わないのかな.
だって,「2次方程式 x^2-1=0 の解は -1,1」 というのは確定すると思う.

だいたい,(-1)^n は有限(finite)ではなく,有界(bounded)である.

この変な言葉を使う気持ちが理解できぬ.


それとも,この語を使う人は,「∞」が数値だとでも思っているのだろうか.
極限を教えているときに,∞が一つの値のように錯覚されることがあって,その辺は指導者に注意が必要であると思う.教える側が「有限確定値」なんて語を気軽に使うことが,そんな誤解を生むような気もする.

「有限確定値に収束する」
なんて,言い方は,屋上屋を架している.収束する先の極限値はいつでも定数なのだから「収束する」だけで十分だ.

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