息を止めてやる計算.
Aを振幅,xが位置,tが時刻のとき,複素数の定数kに対して波動関数は
\Psi=Ae^{i(kx-\omega t)}
波動方程式を扱うと,しばしば波動関数の複素共役が出てくるが,この波動関数の複素共役を求めてみる.ちなみに「共役」は常用漢字だが,本来は「共軛」と書く.牛車の軛(くびき)にあたる「実部」が共通で虚部が轅(ながえ)にあたる雰囲気.つまり共通の実部をもつ複素数が「共軛(きょうやく)」
さて,この波動関数を展開して,複素数の実部と虚部に分ける.
高校数学以外では,オイラーの関係式
e^{ix}=\cos x +i \sin x
を使うかな.
kは複素数だから,実数a, bに対し,k=a+bi と書くことにする.
\Psi=Ae^{i(kx-\omega t)}
=Ae^{i((a+bi)x-\omega t)}
=Ae^{i(a+bi)x-i\omega t}
=Ae^{iax-bx-i\omega t}
=Ae^{-bx+i(ax-\omega t)}
指数法則で
=Ae^{-bx}e^{i(ax-\omega t)}
オイラーの関係式から
=Ae^{-bx}\left(\cos(ax-\omega t) + i \sin(ax-\omega t)\right)
これで虚部と実部に分けられたが,この式の意味をちょっと説明すると,
kが実数(つまり b=0)のとき,e^{-bx}=e^0=1 となり,sin と cos の項だけになる.つまり減衰も増大もしない波を表す.
kが虚数なら,e^{-bx} の積が減衰や増大する波を表す.
さて,高校の数学では共役(虚部の符号が逆)は変数の上に横線だが,
波動では右肩に*をつける習慣のようである.
つまり (2+3i)^* = 2-3i.
\Psi =Ae^{-bx}\left(\cos(ax-\omega t) + i \sin(ax-\omega t)\right) の共役は虚部の符号を変えるだけだから
\Psi^{*} =Ae^{-bx}\left(\cos(ax-\omega t) - i \sin(ax-\omega t)\right)
\cos(-\theta)=\cos\thetaなので
=Ae^{-bx}\left(\cos(-ax+\omega t) - i \sin(ax-\omega t)\right)
\sin(-\theta)=-\sin\thetaなので
=Ae^{-bx}\left(\cos(-ax+\omega t) - i (-\sin(-ax+\omega t))\right)
=Ae^{-bx}\left(\cos(-ax+\omega t) + i \sin(-ax+\omega t)\right)
オイラーの関係式で
=Ae^{-bx}e^{i(-ax+\omega t)}
指数法則で
=Ae^{-bx}e^{-iax+i\omega t}
=Ae^{-bx-aix+i\omega t}
-1=i^2で書き換えて
=Ae^{i^2bx-aix+i\omega t}
-iでくくって
=Ae^{-i(-ibx+ax-\omega t)}
=Ae^{-i(ax-ibx-\omega t)}
xでくくって
=Ae^{-i((a-bi)x-\omega t)}
k=a+bi の共役 a-bi を k^{*}と書けば,
=Ae^{-i(k^{*}x-\omega t)}
つまり, \Psi =Ae^{i(kx-\omega t)}の共役はi の符号を変えて共役にして,kの共役もとるという
「なぁんだ,やっぱりそうなるじゃん(^o^)」
という至極アッッッタリマエの形となる.
\Psi^{*}=Ae^{-i(k^{*}x-\omega t)}
以上,アタリマエの確認.
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