報告書1 報告書2 報告書3 学習指導案
2001年夏,この講習会でいくつかレポートを書きました.せっかく書いたので,公開.
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\documentclass[a4paper,12pt,fleqn]{jarticle}
\usepackage{emathP} %% http://homepage3.nifty.com/emath/
\title{
\begin{flushright}{\footnotesize 受講番号 B217}\end{flushright}
\\
\vspace{3cm}
2001年度 \\
新教科「情報」現職教員等講習会 \\
報告書$\maru1$}\\
\vspace{3cm}
\author{
\begin{tabular}{ll}
区 分 & A\\
\\
項 目 & 情報化と社会\\
\\
受 講 日 & 2001年7月4日\\
\\
講 師 名 & 太田恭正\\
\\
提 出 日 & 2001年8月10日\\
\\
提出者職・氏名 & 教諭 氏家 悟 \\
\\
所 属 & 県立東葛飾高校
\end{tabular}
}
\date{2001年8月10日}
\pagestyle{plain}
\begin{document}
\maketitle
\newpage
\section{ }\label{sec:0}
\begin{tabular}{ll}
報告者職・氏名 & 教諭 氏家 悟 \\
項 目 & 情報化と社会(情報と生活)\\
指導者 & 太田恭正 \\
受講年月日 & 2001年7月4日 \\
報告年月日 & 2001年8月6日
\end{tabular}
\section{目的}\label{sec:目的}
科学の発達によって,われわれの得る情報もおおきく変化し,
それによって生活も大きく変わっていくことが予想される.
便利になることも多いだろうが,反面,影の部分も意識すべきであろう.
教科情報では,情報革命がもたらした生活や社会の変化と,
それによって生じる新しいのモラルの確率,
さらには影の部分を知ることにより,
情報を守る素養を身につけるべきだと思う.
\section{内容}\label{sec:内容}
この単元ではまず情報技術の発展とそれによる生活の変化を学んだ.
情報技術の発展はグローバルコミュニケーションの始まりである.
まず,モールス信号から電話,そして有線から無線,そして放送へ.
有線のインフラの整備は現代のデータ通信につながり,
モールス信号から始まった無線通信の進歩はポケベルから
携帯電話への通信につながった.
さらに1対1であったコミュニケーションが,放送により1対多へ進化し,
インターネットの技術でだれでも広く情報を発信できる多対多に進化した.
コミュニケーションの手段も,コンピュータの登場によりディジタル化し,
ディジタル化さえすればどのような情報もやりとりできるようになった.
当初,コンピュータはまさに「計算機」であり,
そろばんを機械化したような機能しかなかった.
それをネットワークで結んで「オンライン処理」というものがはじまり,
銀行や流通業界で使われ始める.
そしてコンピュータ自体も小型化(ダウンサイジング)し
個人が持てるような大きさと価格になり
「パーソナルコンピュータ」と言われるようになる.
これにより,個人やオフィスでもコンピュータが使われるようになる.
これらのコンピュータを,
当初は会社専用のオンラインネットワークに参加させたり,
個人ならば「パソコン通信」で,コミュニケーションをとっていた.
インターネットは個人,企業,学校,その他団体を問わず,
すべてがネットワークに参加できるようになる技術で,
個人の生活も大きく変わっていくものといえる.
具体的には単なる言葉(文字情報)のやり取りだけではなく
「マルチメディア」とよばれる文字情報以外の画像,動画,音声,音楽
などの情報のやり取りに進化した.
またビジネスにおいても,
インターネットによるネットショッピングや,
「Eコマース」,労働形態も在宅勤務等の進展,
教育においてもネットを使ったものが増え,
われわれの生活も大きく変わってゆく.
つまり,多対多のコミュニケーションによりこれまでの
「マスメディア」が多様化し,
個人情報が本人の知らぬところで流れたり,
個人がいつでも情報発信者たることが可能になり,
個人のネットワーク社会に参画する態度と
それに伴う責任が大きく問われるようになったといえよう.
つまり,個人情報の保護をどうするか,
個人の情報モラルをいかに啓発するかということである.
教科情報では,これらの歴史を学び,情報モラルの確立を目指すことになる.
\section{研究事項}\label{sec:研究事項}
私はこの内容を,情報の流れという視点で捉えてみる.
講義では電気通信ができてからの社会や生活の変化について説明されていたが,
情報は電気通信ができる前から人々の間でやり取りされていた.
\subsection{1対1の時代}\label{ssec:1対1の時代}
情報は人類が言語を持つことによって,
人々の間で「言語を使って」やりとりされたのが最初だと思う.
もちろん,非言語的表現というものはあったろうが,
それはたんなる感情や態度の表現であって,
情報とは言い難い面があると思う.
さて太古では,言語を使い情報は個人から個人への口伝えであっただろう.
量も少なく,スピードも遅く,正確さにおいては,
噂話と大差ないものだったに違いない.
国家というものが形成される頃には「文字」が考案され,
正確さにおいては格段に進歩したといえるかもしれないが,
量とスピードはさほど太古と変わらなかったはずである.
国家の存続においては,国を支配する者が情報を独占していたわけであるが,
情報のスピードの観点から見ても,むしろそれは当然といえるかもしれない.
つまり,民意を問うにも,一般民衆に情報を広く知らしめ,
広く民意を知る手段がなかったのだ.
\subsection{マスメディアの出現}\label{ssec:マスメディアの出現}
支配者の情報の独占が崩れ始めたのは,
やはり,グーテンベルクの活版印刷の技術からであろう.
つまり,大量の印刷物が広く一般に配布されることにより,
様々な情報が一般民衆の知ることとなる.
私はこれが「マスメディア」の始まりであると考える.
この段階で,「量」については,充分な技術に達したといえる.
しかし,スピード,即時性に関してはやはり
現代の電子技術の進歩まで待たなければならない.
\subsection{電子技術の登場}\label{ssec:電子技術の登場}
スピードを速める技術が電子技術である.
まずは,モールス信号.
これは短点を0,長点を1と考えれば,
1ビットの通信機といえるかもしれない.
もちろん,コード化は,手でスイッチを操作することにより,
手動でなされる.
それが相手方の紙テープに記録され,
それを人間がデコードして情報を読み取るといったなんとも悠長ではあるが,
即時性に関しては今までにない能力を持ったものである.
余談だが,ネット検索で「モールス」で探すとほとんどが
「4月の暦」,「4月の運勢」,「4月生まれ」などである.
つまり現代人にとってはモールス信号の発明の意義や技術的発想よりも,
モールスその人の誕生日のみが関心事であるのだろうか.
続いて電話の誕生.1ビットの通信機から,一気にアナログ通信機である.
もちろん,音声をそのまま伝えるだけであるが,
モールス信号に比べ情報量は格段に上がった.
しかし,現代のように録音テープもないので太古の1対1の会話が,
遠くの人間となされるというだけである.
印刷物のような大量の情報をやり取りすることは困難といえる.
電気通信は量よりスピードなのであった.
ここまでは電気通信といっても,有線による通信であり,
電柱に延々と線を引くというインフラ整備のもとでの技術である.
\subsection{無線通信}\label{ssec:無線通信}
これに対し,無線通信はそのようなインフラがなくとも
通信可能な技術であるといえる.
ところが,アナログによる無線通信は,機械があれば誰でも受信可能であり,
通信の秘匿性に関しては弱い面がある.
それを逆手にとって「放送」という情報伝達手段が始められるわけである.
それまで,印刷物でのみ実現していた「マスメディア」が
放送により量だけではなく即時性をもったものに進化したものといえる.
\subsection{情報モラル}\label{ssec:情報モラル}
印刷によるマスメディアもそうだが,
大量の情報が流れるようになると問題になるのが,
「情報モラル」という観点であろう.
印刷によるマスメディアも同様だが,
当初の技術は高価でもあり,
その高価な技術は社会の発展のために使いたいといったような,
使命感も手伝って,
情報モラルが問題になることはなかったろうと思われる.
しかし,はじめに情報モラルを破ったのは為政者である.
国家による個人支配においては,
個人が情報をもつことをコントロールしなければ,
国家が存続できないと考えた為政者は,
検閲という形で情報をコントロールしようとしたり,
放送においても,都合のいい情報しか流さないように
放送をコントロールした.
また,ヒトラーのように放送を大衆心理の高揚にうまく使い,
支持拡大に使用したという歴史もある.
最近でもアフリカのある地域での民族間の虐殺では
ラジオ放送による煽動が大きかったと報じられている.
このように,大衆心理に付け込んだ煽動に放送が使われると危険であり,
この点での情報モラルは常に監視しなければならない点である.
さて,もうひとつ.昨今のマスコミの「商業主義」によって,
個人のプライバシーが不当に扱われたり,
虚偽の報道が平然となされたり,
これも「情報モラル」の欠如と言え,
こちらの監視も重要な課題である.
\subsection{コンピュータ技術の発達}\label{ssec:コンピュータ技術の発達}
情報においてコンピュータの果たす役割は
近年ますます大きくなってきているが,
その黎明期は単なる「計算機械」であった.
大きさも価格も大変なものであった.
始めはリレー計算機,つまり自動スイッチによる論理回路である.
それが,真空管にとって変わり,現在の半導体へと進化する.
使い方も「計算機械」から,
ノイマン型のストアードプログラム方式へと進化し,
さらに遠隔地からネットワークを通じてデータをやり取りする,
オンライン処理へとなる.
さらに,半導体素子もマイクロプロセッサが開発されると,
大きさや価格も小さいものとなり,
現在のパソコンは個人で持てるレベルとなる.
\subsection{パソコンによるコミュニケーション}\label{ssec:パソコンによるコミュニケーション}
パソコンによるオンライン処理が「パソコン通信」と呼ばれたものである.
つまり,集中処理をする大型コンピュータにパソコンが端末として接続し,
大型コンピュータを通じてコミュニケーションを図る.
これは大型コンピュータへのアクセス権のある者同士だけが
コミュニケーションが図れるわけで,
「閉じた」コミュニケーションであるといえる.
\subsection{インターネットの出現}\label{ssec:インターネットの出現}
インターネットは,もともと米国の軍事技術の研究から始まった.
つまり,集中処理型のオンライン処理では,
そこを攻撃すれば情報がストップする.
そこで,分散処理が考えられ,情報を分散させて持ち,
情報の流れも複数もてるような工夫がインターネットの始まりである.
軍事技術の研究に使われた米国の大学間のインターネットは,
研究者がそのまま使いつづけ,
10年程前に商業利用に門戸が開かれ,爆発的に広まった.
インターネットに接続業者なりを通じて接続すれば,
パソコンも大型コンピュータもネット上では対等になる.
さらには,お互いがソフトウェアを共有すれば,
どのようなデータでもやり取りできる.
パソコン通信では,
集中処理の大型コンピュータも持つ機能以上のことはできないが,
インターネットでは新しい技術が次々と開発され,
個人がそれを使うことにより,情報のやり取りが次々と新しいものになる.
いわゆる「マルチメディア」と名づけられるものがこれにあたる.
たとえば,画像を表示するソフトがあれば,
その画像を使ったコミュニケーションが成立する.
画像だけではなく,音声,動画,音楽等,
いくらでも新しいコミュニケーション手段が成立する.
\subsection{新しいコミュニケーション「多対多」}\label{ssec:新しいコミュニケーション「多対多」}
このことは,これまでのコミュニケーション,
情報の流れに革命的な変化がおきたことを意味する.
インターネットが広まる以前のコミュニケーションは
「1対多」のマスコミュニケーションが関の山であった.
インターネットの技術により,
個人が多数に対して,情報を発信することが可能になった.
いわゆる「多対多」のコミュニケーションである.
個人の情報の発信は,
いままで情報発信機関だけに求められた情報モラルが
個人にも求められることを示している.
また,情報に接する態度も,その情報が信頼できるものであるかどうか,
正しい判断が下せるようなスキル(裏を取るなど)
を身に付けることがますます重要になってくるであろう.
\section{考察}\label{sec:考察}
人と人がどのようにコミュニケーションを図るか,
この10年の進歩はそれ以前の100年の進歩よりも速いかも知れない.
人類の言葉によってはじまったコミュニケーションではあるが,
当初は文字情報主体であったものが,
映像や音声のリアルタイムのコミュニケーションへと進化することにより,
古来「個人対個人」でしか不可能であった,
「非言語的表現によるコミュニケーション」が
「多対多」でも可能になったともいえる.
早い話,言語をもたない動物の映像や音声を送れば,
その動物の気持ちを理解することも可能といえる.
さて,このように技術が進歩しても,
モラルがそれについていかなければ,
必ずしもそれが直接に人類の幸福につながるとはいえないだろう.
教科「情報」の目指すところは,そんなところにあるのかもしれない.
\section{感想}\label{sec:感想}
今回,コミュニケーションの形態の観点で,
「情報と社会」を考えた.
講義によって,普段,漠然と考えていたことを文章化することができる
良いきっかけになってよかった.
\section{参考文献}\label{sec:参考文献}
特にありません.
\newpage
\section{番外:}\label{sec:番外:}
コンピュータ概論1「ハードウェアの基礎」において,
コンピュータが電子スイッチの集まりとして,簡単な回路の説明があった.
テキスト212ページにも,1ビットの加算器があったので,
それを AND, OR, NOT の基本回路で構成して見ようと思う.
はじめに,論理値をまとめると次のとおり.
\begin{tabular}{cc|c}
\multicolumn{3}{l}{AND} \\ \hline
\multicolumn{2}{c|}{入力} & 出力 \\
A & B & $\textrm{A}\wedge \textrm{B}$ \\ \hline
0 & 0 & 0 \\
0 & 1 & 0 \\
1 & 0 & 0 \\
1 & 1 & 1 \\ \hline
\end{tabular}
\hspace{\quad}
\begin{tabular}{cc|c}
\multicolumn{3}{l}{OR} \\ \hline
\multicolumn{2}{c|}{入力} & 出力 \\
A & B & $\textrm{A}\vee \textrm{B}$ \\ \hline
0 & 0 & 0 \\
0 & 1 & 1 \\
1 & 0 & 1 \\
1 & 1 & 1 \\ \hline
\end{tabular}
\hspace{\quad}
\begin{tabular}{c|c}
\multicolumn{2}{l}{NOT} \\ \hline
入力 & 出力 \\
A & $\neg\textrm{A}$ \\ \hline
0 & 1 \\
1 & 0 \\ \hline
\end{tabular}
\vspace{\baselineskip}
212ページにもあるが1ビットの加算器は次のようになる.
\begin{tabular}{cc|cc} \\ \hline
\multicolumn{2}{c|}{入力} & \multicolumn{2}{c}{出力} \\
A & B & C & F \\ \hline
0 & 0 & 0 & 0 \\
0 & 1 & 0 & 1 \\
1 & 0 & 0 & 1 \\
1 & 1 & 1 & 0 \\ \hline
\end{tabular}
\vspace{\baselineskip}
桁上がり C は AND 演算で実現できる.
和の F の実現方法は排他的論理和といわれるものであるが,
これを基本回路だけで表現することを考える.
これはOR の結果$\maru{1}$ と AND の結果を
NOT したもの $\maru{2}$について
$\maru{1}$ AND $\maru{2}$ であるといえる.
\begin{tabular}{c} \\ \hline
$\textrm{A}\vee \textrm{B}$ $\maru{1}$\\ \hline
0 \\
0 \\
0 \\
1 \\ \hline
\end{tabular}
\hspace{\quad}
\begin{tabular}{c} \\ \hline
$\neg(\textrm{A}\wedge \textrm{B})$ $\maru{2}$\\ \hline
0 \\
0 \\
0 \\
1 \\ \hline
\end{tabular}
つまり,$\textrm{F} = (\textrm{A}\vee\textrm{B})\wedge\neg(\textrm{A}\wedge\textrm{B})$ である.
これを論理計算で展開すると,
\begin{quote}
$\textrm{F} = (\textrm{A} \vee \textrm{B}) \wedge \neg( \textrm{A} \wedge \textrm{B})
\quad \cdots\cdots \maru{3} \\
= \textrm{A }\wedge \neg (\textrm{A} \wedge \textrm{B})
\vee \textrm{B} \wedge \neg (\textrm{A} \wedge \textrm{B})\\
= \textrm{A} \wedge (\neg \textrm{A} \vee \neg \textrm{B})
\vee \textrm{B} \wedge (\neg \textrm{A} \vee \neg \textrm{B})\\
= \textrm{A} \wedge \neg \textrm{A} \vee \textrm{A} \wedge \neg \textrm{B}
\vee \textrm{B} \wedge \neg \textrm{A}
\vee \textrm{B} \wedge \neg \textrm{B}\\
= \textrm{A} \wedge \neg \textrm{B} \vee \textrm{B} \wedge \neg\textrm{A}$.
$\quad \cdots\cdots \maru{4}$
\end{quote}
論理値の表で確かめる.
\begin{tabular}{ccccccc} \hline
A & $\neg\textrm{A}$ & B & $\neg\textrm{B}$ & $\textrm{A} \wedge \neg \textrm{B}$ & $\textrm{B} \wedge \neg\textrm{A}$ & F \\ \hline
0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 \\
0 & 1 & 1 & 0 & 0 & 1 & 1 \\
1 & 0 & 0 & 1 & 1 & 0 & 1 \\
1 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 0 \\ \hline
\end{tabular}
これを電子回路に置き換えることとなる.
同値な2式$\maru{3}$,$\maru{4}$では,$\maru{4}$が対称で見やすいが,
論理演算子の数としては$\maru{3}$が少ない.
これは1ビットの加算器であったが,
これを連結して4ビットでも32ビットでも可能になるわけであるが,
連結する際,下の桁からの位上がりも加えなければならない.
それを考慮して1ビットの加算器を考察すると,
入力は A, B のほかに,下の桁からの位上がり Cin を考えて,次のような論理表になる.
\begin{tabular}{ccccc}\hline
Cin & A & B & G & C \\ \hline
0 & 0 & 0 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 1 & 1 & 0 \\
0 & 1 & 0 & 1 & 0 \\
0 & 1 & 1 & 0 & 1 \\
1 & 0 & 0 & 0 & 0 \\
1 & 0 & 1 & 1 & 1 \\
1 & 1 & 0 & 1 & 1 \\
1 & 1 & 1 & 0 & 1 \\ \hline
\end{tabular}
\vspace{\baselineskip}
足し算の原理から考えると,和の桁Gは A, B, Cin の1ビットの和だから,
A, B の排他的論理和の結果と Cin との排他的論理和であるから,
\begin{quote}
$\textrm{F} = \textrm{A} \wedge \neg \textrm{B}
\vee \textrm{B} \wedge \neg \textrm{A}$
\quad $\cdots\cdots \maru{5}$
\end{quote}
に対して
\begin{quote}
$\textrm{G} = \textrm{F} \wedge \neg \textrm{Cin}
\vee \textrm{Cin} \wedge \neg \textrm{F}$
\end{quote}
である.$\textrm{F} \wedge\neg \textrm{Cin}$ の F に$\maru{5}$を代入すると,
\begin{quote}
$\textrm{F} \wedge\neg \textrm{Cin} \\
= (\textrm{A} \wedge \neg \textrm{B}
\vee \textrm{B} \wedge \neg \textrm{A}) \wedge \neg \textrm{Cin} \\
= \textrm{A} \wedge \neg \textrm{B} \wedge \neg \textrm{Cin}
\vee \textrm{B} \wedge \neg \textrm{A} \wedge \neg \textrm{Cin}$
\end{quote}
$\textrm{Cin} \wedge\neg \textrm{F}$ のFに$\maru{5}$を代入すると,
よって
\begin{quote}
$\textrm{Cin} \wedge \neg \textrm{F} \\
= \textrm{Cin} \wedge \neg (\textrm{A} \wedge \neg \textrm{B}
\vee \textrm{B} \wedge \neg \textrm{A}) \\
= \textrm{Cin} \wedge ( \neg (\textrm{A} \wedge \neg \textrm{B})
\wedge \neg (\textrm{B} \wedge \neg \textrm{A})) \\
= \textrm{Cin} \wedge (( \neg \textrm{A} \vee \textrm{B})
\wedge ( \neg \textrm{B} \vee \textrm{A})) \\
= \textrm{Cin} \wedge (( \neg \textrm{A} \vee \textrm{B})
\wedge \neg \textrm{B} \vee ( \neg \textrm{A} \vee \textrm{B}) \wedge \textrm{A}) \\
= \textrm{Cin} \wedge ( \neg \textrm{A} \wedge \neg \textrm{B}
\vee \textrm{B} \wedge \neg \textrm{B}
\vee \neg \textrm{A} \wedge \textrm{A} \vee \textrm{B} \wedge \textrm{A}) \\
= \textrm{Cin} \wedge ( \neg \textrm{A} \wedge \neg \textrm{B}
\vee \textrm{B} \wedge \textrm{A}) \\
= \textrm{Cin} \wedge \neg \textrm{A} \wedge \neg \textrm{B}
\vee \textrm{Cin} \wedge \textrm{B} \wedge \textrm{A}$.
\end{quote}
\begin{quote}
$\textrm{G} = \textrm{A} \wedge \neg \textrm{B} \wedge \neg \textrm{Cin}
\vee \textrm{B} \wedge \neg \textrm{A} \wedge \neg \textrm{Cin}
\vee \textrm{Cin} \wedge \neg \textrm{A} \wedge \neg \textrm{B}
\vee \textrm{Cin} \wedge \textrm{B} \wedge \textrm{A}$.
\end{quote}
論理演算子の数は 17個 で,当初の数より3つ多いが,
\begin{quote}
$\textrm{G} = \textrm{A} \wedge \neg (\textrm{B} \vee \textrm{Cin})
\vee \textrm{B} \wedge \neg(\textrm{A} \vee \textrm{Cin})
\vee \textrm{Cin} \wedge \neg (\textrm{A} \vee \textrm{B})
\vee \textrm{Cin} \wedge \textrm{B} \wedge \textrm{A}$
\end{quote}
とすれば,同じ14個で,式も対称的で見やすい.(たぶん回路設計もしやすいかも)
さて,位上がり C はもっと単純である.A, B, Cin の二つ以上が 1 ならば $\textrm{C}=1$,
それ以外は $\textrm{C}=0$ なので,
\begin{quote}
$\textrm{C} = \textrm{A} \wedge \textrm{B}
\vee \textrm{B} \wedge \textrm{Cin}
\vee \textrm{Cin} \wedge \textrm{A}$
\end{quote}
これが桁上がりを考えた1ビットの加算器の論理式である.
これを,自動スイッチや半導体の論理素子に置き換えればいいわけである.
\end{document}
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