1998年1月19日月曜日

1997年度学年通信「さぼてん」より 1月19日

若年寄

なんか最近,東葛生を見ていて年寄りが多いなと思っていたが,むかしの人がすでにいろいろ指摘していた.

ロジェ・ガローディ
「ふつう人間は,若く生まれて年をとって死ぬと思われている.ところが,実は『真実の若さ』を手に入れるには,非常に長い修行を積まねばならない.」

ヘルマン・ヘッセ
「成熟するにつれて人はますます若くなる」

「若さ」とはたとえば「現状にとどまらない精神力」.
とりあえず3年生のほとんどは大学受験をする.
いやでも「現状にとどまる」ことはできない.
でも「自分からその道を選んだ」人はどれだけいるだろう.
まわりに流されて進学するのではない,と誇れる人はどれだけいるだろう.
現代社会のシステムは15歳,18歳に現状にとどまることを許さない.
それはべつに悪いことではない.
こわいのは「流されて現状にとどまらなかった人」が大学に進学してから.
「その現状に満足」して「停滞」すること.
それはもう精神の老化のはじまり.

大学を終えてからも現状にとどまることはできない.
しかしそして,大学を卒業してから完璧に停滞し,「死を迎える」人は多い.
そして,「保身」の一生を過ごし,「保身社会」が社会の閉塞状況を生み出すわけだ.

老化の精神の人生を選ぶ人は多い.
つまり年齢が低いときはもちろん,年をとるにつれてさらに「頑迷,偏狭」を強める人.
「開かれた心」や「柔軟性」は若さの特徴のように思われているが,本当は年齢とともに獲得してゆくものである.

頭でっかちで,頑迷,偏狭,利己的,一人よがりの集まりである 3 年生諸君.
それ以上に頭でっかちで,頑迷,偏狭,利己的,一人よがりの僕と,どちらが先に「開かれた心」「柔軟性」を獲得していくか競争だよ.
それにしても僕の高校生のころは,みんなより「硬直した頭脳」でダイヤモンド並みだった.
最近やっと「石頭」くらいに柔らかくなってきたように思う.

今から,周りに目を向けて自分の世界を広げよう.
そのための「真の学力」を身につけよう.

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