Processing math: 1%

2025年1月25日土曜日

台形の面積を計算する

「チコちゃんに叱られる」で「日本の国土の面積はどうやって計算する?」の答えが
「1500万個の台形の面積を計算する」
で,台形を計算する式が
「座標法」と呼ばれる。

点が4つなら,

i=2, 3, 4 を代入して
  S=\frac{1}{2}\{
    (x_2-x_1)(y_3-y_1)
    +(x_3-x_1)(y_4-y_2)
    +(x_4-x_1)(y_1-y_3)\}
となるが,特にyの番号は一つ飛ばしの引き算なのがなぞ。

これが台形公式の
と形が違う。この台形の公式で式を作ると,
  S=\frac{1}{2}\sum_{i=1}^{n}(y_i+y_{i+1})(x_i-x_{i+1}) (ただしn+1を1に読み替える)
となり,(上底+下底)のyの番号は隣同士の足し算のはず。

点が4つなら,
 \frac{1}{2}(y_1+y_2)(x_1-x_2)


 \frac{1}{2}(y_2+y_3)(x_2-x_3)

 \frac{1}{2}(y_3+y_4)(x_3-x_4)
下側の台形はx_3-x_4がマイナスになるので,ふつうに足せば引き算となる。

 \frac{1}{2}(y_4+y_1)(x_4-x_1)

つまり
  S=\frac{1}{2}\{
    (y_1+y_2)(x_1-x_2)
    +(y_2+y_3)(x_2-x_3)
    +(y_3+y_4)(x_3-x_4)
    +(y_4+y_1)(x_4-x_1)
と,yは隣同士の番号の和になる。

展開すると
   =\frac{1}{2}\{
    x_1y_1+x_1y_2-x_2y_1-x_2y_2
    +x_2y_2+x_2y_3-x_3y_2-x_3y_3
    +x_3y_3+x_3y_4-x_4y_3-x_4y_4
    +x_4y_4+x_4y_1-x_1y_4-x_1y_1\}
プラスマイナスを消すと
   =\frac{1}{2}\{
    x_1y_2-x_2y_1
    +x_2y_3-x_3y_2
    +x_3y_4-x_4y_3
    +x_4y_1-x_1y_4\}

「日本の国土の面積はどうやって計算する?」の式
   =\frac{1}{2}\{
    (x_2-x_1)(y_3-y_1)
    +(x_3-x_1)(y_4-y_2)
    +(x_4-x_1)(y_1-y_3)\}
を展開すると,
   =\frac{1}{2}\{
    x_2y_3-x_2y_1-x_1y_3+x_1y_1 ← -x_1y_3+x_1y_1
    +x_3y_4-x_3y_2-x_1y_4+x_1y_2
    +x_4y_1-x_4y_3-x_1y_1+x_1y_3\} ←  -x_1y_1+x_1y_3
矢印の同類項を消して,
   =\frac{1}{2}\{
    x_2y_3-x_2y_1
    +x_3y_4-x_3y_2-x_1y_4+x_1y_2
    +x_4y_1-x_4y_3\}
順序を入れ替えて,
   =\frac{1}{2}\{
    x_1y_2-x_2y_1
    +x_2y_3-x_3y_2
    +x_3y_4-x_4y_3
    +x_4y_1-x_1y_4\}
台形から作ったものと同じになった。

さて,この式の中の
  x_1y_2-x_2y_1
はベクトル (x_1, y_1), (x_2, y_2) で作られる平行四辺形の面積に符号がついたものだから,\frac{1}{2}(x_1y_2-x_2y_1) はベクトル (x_1, y_1), (x_2, y_2) を2辺とする三角形の面積に符号がついたものとなる。(なす角の回転方向で符号が決まる。時計回りがマイナス)


なので,整理した式
  S=\frac{1}{2}\{
    x_1y_2-x_2y_1
    +x_2y_3-x_3y_2
    +x_3y_4-x_4y_3
    +x_4y_1-x_1y_4\}
は三角形の面積の総和(重なった部分は負の数となり,引き算)ともいえる。

「座標法」で検索すると
  S=\frac{1}{2}\sum_{i=1}^{n}x_i(y_{i+1}-y_{i-1})
が出てくる。ただしi=0のときはi=ni=n+1のときはi=1 と読み替える。
点が4つなら,
  S=\frac{1}{2}\{
    x_1(y_2-y_4)
    +x_2(y_3-y_1)
    +x_3(y_4-y_2)
    +x_4(y_1-y_3)\}
これも展開すると
   =\frac{1}{2}\{
    x_1y_2-x_1y_4
    +x_2y_3-x_2x_1
    +x_3y_4-x_3x_2
    +x_4y_1-x_4x_3\}
順序を入れ替えて
   =\frac{1}{2}\{
    x_1y_2-x_2x_1
    +x_2y_3-x_3x_2
    +x_3y_4-x_4x_3
    +x_4y_1-x_1y_4\}

三角形の面積の総和と同じになる。

図の格子は1×1 とすると,

「座標法」の例を見ると,次のような数表を作って計算するようだ。
 i  x_i  y_i y_{i+1}-y_{i-1}x_i(y_{i+1}-y_{i-1})
1525-1=45×4=20
2453-2=14×1=4
3131-5=-41×(-4)=-4
4212-3=-12×(-1)=-2
倍面積18
合計は倍面積の 18 なので,図の面積は9

座標法以前の,登記に使われる地積図は,三角形に分割して
(底辺)×(高さ)÷2
だった。
なので,直角を出して高さを測る必要があった。


4.123×2.668÷2=5.500 (\sqrt{17}\times\frac{11}{\sqrt{17}}\div2)
4.123×1.698÷2=3.500 (\sqrt{17}\times\frac{7}{\sqrt{17}}\div2)
面積9



0 件のコメント:

コメントを投稿

スパム対策のため,コメントは,承認するまで表示されません。
「コメントの記入者:」は「匿名」ではなく,「名前/URL」を選んで,なにかニックネームを入れてください.URL は空欄で構いません.