先日の数学の飲み会で何人かに聞いてみた。
「サイン十一の値、知ってる?11度じゃないよ。11ラジアン」
もちろん、だれも知らない。
「グーグルで計算させるとなかなかいい値が出るよ。」
>Google電卓
皆さん感心してくれる。
9が5個も並ぶ。
四捨五入すれば、ほぼ -1
\frac{\pi}{2}\times 7\approx \frac{3.14}{2}\times 7=1.57\times7=10.99
つまり、11\approx\frac{7}{2}\pi なのである。
なので、\sin 11\approx \sin\frac{7}{2}\pi=-1 である。
実際、
\frac{7}{2}\pi=10.99557428756427633461925184147826009469009289781287037341... で、
\sin 11 =-0.99999020655070345705156489902552210684297111205482259527... となる。
昔、問題集に \sin 1,\ \sin 2,\ \sin 3 の大小を聞く問があった。
1<1.04\approx\frac{\pi}{3}<1.57\approx\frac{\pi}{2}<2<2.08\approx\frac{2\pi}{3}<3<\pi\approx3.14
と\sin の増減からわかるというもの。
で、数列\{\sin n\} の値を調べたら、\sin 11 の値にシビレたw
\sin x の値の範囲には制限がある。-1\le \sin x \le 1 (これを有界 bounded という)
\sin\frac{奇数}{2}\pi=\pm1 だが、\pi は無理数なので、\pi の有理数倍である \frac{奇数}{2}\pi が有理数(整数比)になることはない。なおさら整数にならない。
したがって、すべての整数n について、\sin n\ne\pm1である。つまり、 -1< \sin n < 1 (有界)である。
\sin n は決して \pm1 に等しくなることはないが、いくらでも \pm1 に近い値をとりうる。nは無限にあるので、いくらでも \frac{\pi}{2} の奇数倍に近い数があるはずだから -1< \sin n < 1 の範囲にビッシリになるからである。
つまり、数列\{\sin n\} は 1 に収束する部分列を持つ。(実際は、-1以上1以下の任意の値に収束する部分列を持っている。)
この事実を「ボルツァーノ=ワイエルシュトラスの定理」という。
「有界な数列は収束する部分列を持つ」
この定理と実数の連続性(ベッタリ)をから導かれるのが、「最大値の定理」
「閉区間で連続な関数は、最大値をとる。」(もちろん最小値も)
というもの。
有理数がビッシリで、実数はベッタリw
この違いは絶大で、連続関数「\sin 有理数」 は最大値も最小値もとらない。どんなにビッシリ\sin 有理数 の値を並べても最大最小は存在しない。(ビッシリは数学では稠密とよぶ。)
「最大値の定理」は数IIIで初めて出てくるが、数I, IIでも、中学数学でも「アタリマエのこと」として使う。
区間が決まっていれば、最大最小をとるのはアタリマエ
中学数学や数Iでは区間の決まった1次関数の最大最小や2次関数の頂点での最大最小。
数IIでは三角関数や指数対数の最大最小。
これをアタリマエのことと片付けるのは「教育的配慮」である。もちろん数IIIでも証明はせず、事実の紹介にとどめている。
こうした、当たり前すぎる事実を証明するのは、難しい。
「理論的に正しいこと」をすべて教えれば生徒は理解してくれるかといえば、そうはいかない。理論的な正しさと、理解は別問題であるからである。
「教育的配慮」を仏教用語で「方便」という。
7月22日は円周率の日ですね。
返信削除近似分数ですね。
返信削除355/113 はなにかこじつけできないかな。
あるいは連分数の 3+1/(7+1/16) から、3,7,16