2014年9月3日水曜日

数字に熱を込める

「○○は効く」
「○○は安全」
たいていは確率である.100%はない.

数学を知っている者から見れば,「絶対」という言葉はありえない.
というか,確率が高い時に「絶対○○」という人や報道がたくさんあることを知っている.
「絶対○○」とまで言わなくても,断定的な言い方に対しては,心のなかで「確率若干高いのね」と判断するようにしている.

そういえば,シートベルト義務化の時,
「シートベルトをしてなかったおかげで,事故で怪我をしなかった.」
という例を挙げて,シートベルト義務化に疑問をいう人がいたけど,これだって確率だ.
シートベルトが人の命を100%救うものではないのは当然で,犠牲を減らす様々なファクターの一つであるだけだ.

マーケターの話.
「数学とか統計とかやっている人なら,100%は無いことを知っている.しかし,誰かが『これで絶対売れる』と言って熱を込めて,全員で突っ走らなければ売れない.『絶対はない』と百も承知の上で,言わなけれならないのがマーケター.」
分析の結果,売れる確率が高い方を選んだとしても,結局売るのは人間である.
99% の売れる確率のとき,残り1%の失敗を防ぐために,熱を込めるわけだ.

わかっていても突っ走らねばならぬ役割の人の言葉に感動した.

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