よく,「ちゃんと練習してから・・・」と考えて,なかなか電波を出すに至らぬ人が多い.
自分は逆だった.
相手があっての練習.
最初の交信も,「送信練習のつもり」だった.>以前の記事「ゴム印モールス交信」
相手がいないと,緊張感がなくてなかなか上達しない気がしたので,とにかく電波出すことに徹した.>無謀CW
和文もしかり.符号を全部覚えていないのに,電波出し,挙句取れずに「謝って交信終了」を繰り返した.>以前の記事「無謀CW和文編」
こんなことができるのも,我々はアマチュアだからである.
プロの通信士はお客様のメッセージを,一字一句,たとえ誤記があっても,文字通りに相手に伝えるのが仕事.お金を頂いているのだから当然だ.
その点,完璧に送受信をマスターしてからじゃなければ,通信する資格はない.
「8割がた理解できた」
じゃ仕事にならない.
それに対して,アマチュアは個人的なコミュニケーション.
打ち間違いは結構あるし,相手の打ち間違いも勝手に訂正して理解するし.
相手の言っていることが理解できれば,ソリッドコピー(一字一句復元)する必要は全くない.
ソリッドコピーせずとも,だいたい言っていることはわかるものである.
「MY ??? IS SAPPO?? ???? ??? ?? TANAKA ??? ??? RAIN?? 」・・・あぁ札幌の田中さんね.雨降ってるのか
それこそ,「コールサインとシグナルレポート」のやりとりで一応交信成立といえるので,それ以外一切取れずに,73(さよなら)を打ってもよい.
実際,「コールサイン 599BK」で終わらせる交信も多い.
極端な話「コンディションが落ちた振り」して,一方的に引っ込んでしまうのも可.
先月のアクティビティの中に,
「通常交信121のうち,47交信が シグナルレポート(599BK)だけではない交信」
と書いた.>以前の記事「3月のアクティビティ」
逆に言うと,74交信がシグナルレポート(599BK)だけの交信だった.
最終的に目指したいのが,欧文平文交信でのヘッドコピー.
ヘッドコピーとは,書き取らずに,音だけで符号をとること.書き取らないから,暗記受信ともいう.
ちょっとでも欧文平文交信をしたいから,できるだけ 599BK ではない交信を目指すが,多くはラバースタンプになってしまう.
ラバースタンプならヘッドコピーできるけれど,それ以外は書き取ってしまう.
ときどき夜 7025kHz 付近で米国と高速の欧文平文交信が聞こえて,憧れるなぁ.
初心者のうちは,「一字一句復元できなくても意味がわかればいい」かもしれないけれど,ずっとそれではコミュニケーションとして面白く無い.
やはり,「普通の会話」をモールスでやりたい願う.
高速モールスをヘッドコピーしている人たちはたぶん,符号が全部頭のなかで文字になっているはずである.>ステトスコープ・チェロ・電鍵 単語を「塊」として受信するということ
自分のような名詞羅列英文ではなく,接続詞も助動詞も時制の語尾変化もちゃんと聞こえてくるから,細かいところもちゃんと文字になっているはず.
そもそも名詞羅列英文になるのは,「だいたいわかればいい」から抜け出せていない証拠.裏返せば,「だいたい伝わればいい」からだ.
一字一句ヘッドコピーできるようになれば,細かいところも全部聞き取れるがゆえに,逆にちゃんとした英文で伝えねばとなるのだと思う.
これはモールスのスキル以上に,英語の力を要する・・・それが一番問題^^
道は長いが,一歩ずつ精進.
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