2006年10月28日土曜日

方程式とは

高校1年生レベルでは
「xの等式があって,その等号が特定の値でのみ成り立つとき,その等式を方程式といい,特定の値を求めることを解くという.」
かなぁ.
つまりこれでは1変数にしか対応しない.

直線の方程式「y=3x+1」はどういうこと? これの解は?>「直線の方程式」って何よ
この「等式」も座標平面上の特定の点のみしか満たさない.つまりその特定の点全体が直線に並ぶので,この方程式の解は「直線」である.
だから「直線の方程式」という.
円の方程式とかも同様.

「y'=k y」みたいな微分方程式は,こんな説明では「方程式」の範疇にははいらないな.
未知数ではなく,未知関数.
求めるのは値ではなく関数だ.


線型代数の簡単な連立方程式を考える.
つまり係数行列$A$とベクトル$b$と未知数ベクトル$x$に対して,
$Ax=b$
と表現されるわけだが,まぁ
$b\in \mathrm{Range}(A)\Longleftrightarrow$解が存在する.
$\mathrm{Ker}(A)=\{0\}\Longleftrightarrow$解ただひとつ.
くらいは大学1年の線型代数だ.
これなんかも,求まるのはベクトル.

「方程式」の概念もどんどん広がる.

結局,方程式の
「気持ち」
は,ふだん対象 $A$ にある操作 $f$ を施して対象 $B$ を得ている状況があるとする.
で,結果の対象 $Q$ が先にわかっているときに,操作 $f$ を施して,対象$Q$になるような,「元の対象」を表す式$f(X)=Q$が「方程式」であるといえる.
で,「方程式を解く」とは $Q$ に操作 $f$ の「逆操作」$f^{-1}$を施す方法を求めることにあたる.
つまり$X=f^{-1}(Q)$
もちろん,「存在するの?」とか「ひとつだけ?」なんてのは数学の議論ではある.
すなわち操作の結果,$Q$になるものがまったく無かったり,いくつもあったりする場合も,数学では考えなければならないが.

すごく簡単な話.
「a倍」という操作を考える.
たとえば「2を3倍して6になる」とか.
さて,「3倍して12になる数は何?」では
3倍の逆操作が必要となる.割り算「12÷3」とはそういうことなのだ.


では,「0倍」という操作.
これはなんでも0になる操作である.
その逆操作は,0で割る計算に当たる.

「0倍して12になる数は何?」つまり操作の記述としては「12÷0」
「0倍したらなんでも0だからないよ」,つまり逆操作が存在しない例.
「0倍して0になる数は何?」つまり操作の記述としては「0÷0」
「0倍したらなんでも0だからねー,なんでもあてはまっちゃうよ」,つまり逆操作がひとつに決まらない例.


結局方程式って,ファイバーなのよ・・・>wikipedia

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