暖房で気温が上がると,飽和水蒸気量が上がるので相対的に空気が乾燥するわけだが,ガスで暖房すると結構窓が曇ったりする.
それは燃焼によって二酸化炭素の他に水(水蒸気)が出るからである.
炭や石炭などを燃やせば水蒸気は発生しないので,温度が上がる分湿度は下がる.
ではガスでは,いったいどれくらいの水蒸気が出ているか計算してみた.
職場の天然ガスのストーブには 4800kcal/h と書いてあるから,毎時 4800kcal の熱量を発生している.( 4800kcal/時=20083200J/時=5578.7J/秒=5578.7W)
一方、天然ガスは9割以上がメタンなので、すべてメタンとして計算する。
メタンは1molあたり212kcalの燃焼熱らしい.>https://katakago.sakura.ne.jp/chem/fire/combustion_heat.html
メタンは C1H4 なので
C1H4 + 2O2 → CO2 + 2H2O
1モルのメタンが燃焼すれば,1モルの二酸化炭素と2モルの水を発生する.
では 4800kcal は何モルのメタンが燃えたかを計算すればよい.
4800kcal÷212kcal=22.6415 モル
のメタンが毎時燃えている.
ということは水は毎秒その2倍の
22.6415×2=45.283モル
発生している.
水1モルは 18g であるから毎時
18×45.283=815.094g
の水(水蒸気)を出している.(二酸化炭素は、44×22.6415=996.226g)
1時間で、小さい鍋くらいの水が水蒸気となって出てきていることがわかる.結構な量である.
学校のストーブにやかんをかけても,1時間でそこまで減ることはないから,ストーブの発する水蒸気は,やかんの水蒸気よりも多いことがわかる.
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