2021年1月21日木曜日

ストーブの水蒸気

暖房で気温が上がると,飽和水蒸気量が上がるので相対的に空気が乾燥するわけだが,ガスで暖房すると結構窓が曇ったりする.

それは燃焼によって二酸化炭素の他に水(水蒸気)が出るからである.

炭や石炭などを燃やせば水蒸気は発生しないので,温度が上がる分湿度は下がる.


ではガスでは,いったいどれくらいの水蒸気が出ているか計算してみた.

職場の天然ガスのストーブには 4800kcal/h と書いてあるから,毎時 4800kcal の熱量を発生している.( 4800kcal/時=20083200J/時=5578.7J/秒=5578.7W)


一方、天然ガスは9割以上がメタンなので、すべてメタンとして計算する。

メタンは1molあたり212kcalの燃焼熱らしい.>https://katakago.sakura.ne.jp/chem/fire/combustion_heat.html


メタンは C1H4 なので

C1H4 + 2O2 → CO2 + 2H2O

1モルのメタンが燃焼すれば,1モルの二酸化炭素と2モルの水を発生する.


では 4800kcal は何モルのメタンが燃えたかを計算すればよい.

4800kcal÷212kcal=22.6415 モル

のメタンが毎時燃えている.

ということは水は毎秒その2倍の

22.6415×2=45.283モル

発生している.

水1モルは 18g であるから毎時

18×45.283=815.094g

の水(水蒸気)を出している.(二酸化炭素は、44×22.6415=996.226g)


1時間で、小さい鍋くらいの水が水蒸気となって出てきていることがわかる.結構な量である.

学校のストーブにやかんをかけても,1時間でそこまで減ることはないから,ストーブの発する水蒸気は,やかんの水蒸気よりも多いことがわかる.

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