2000年5月26日金曜日

電車内では携帯電話のご使用を・・・

そもそも他人に迷惑なる事をしないのは「ジョーシキ」なのだ.手取り足取りジョーシキを訴えるところに社会の幼児性が垣間見られる.
黄色い線の内側に下がって,危険な駆け込み乗車は自粛して,閉まるドアに気をつけるのは,普通の大人なら当然のことで人に言われて「そうだったのか」なんて思うやつなどあんまりいない.

椎名誠が
「丸の内のビジネスマンたちが朝から閉まるドアにはさまれて日本の経済を支えていけるのか?」
ということをどっかで書いていた.その文では
「おせっかいに走るのは,もうひとつのおせっかいを受けないため」
という分析がされていた.
もうひとつのおせっかいとは
「黄色い線の内側に下がらせたり,駆け込み乗車が危険なことや閉まるドアに気をつけることを知らせないのは安全管理上問題で,鉄道会社の怠慢である」
という投書をされるのを恐れるからであるということだった.

基本的にこの国にはおせっかいで親切な人が多いから,電車のアナウンスは事細かにわたるのだと思う.椎名誠によると欧米ではアナウンスはほとんどなく,きわめて静かだそうだが行った事がないから私は知らない.

 このおせっかいの力は電車のアナウンスだけでなく,街中や海山川観光地にあふれるありとあらゆる看板,放送に行き届いている.
特にこのおせっかいは事なかれ主義の行政が最も恐れることでもあるので,よく海水浴場にある行政の立てた看板は細かいよねぇ.

「酒を飲んで泳ぐな,妊婦は泳ぐな,心臓病の人はだめ,焚き火をするな,商売するな,・・・」
心臓病の人が泳ぐことは考えられないと思うけど,ちゃんと項目に入れておかないと,「もし心臓病の人がいて泳いでしまったらどうするのですか?」
と行政におせっかい焼くひとがでたり,
「うちの子は心臓病で泳がせたら死んでしまった.これは看板で注意を喚起しなかった行政の過失である」
と裁判にならないように,小心者の小役人はせっせと看板を建てるのである.

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