2000年5月27日土曜日

9月23日問題

例年,勤務校ではこの頃の土日に文化祭第2部を行っている.今年は9月23日24日にあたる.これが今,問題になって先月,新聞にも報道されていた.

県教委は「祝日と休日が重なった日(今年の9月23日)に行事をやらないように」と言ってきた.その理由は「規則ではこのような日は代休を2日与えなければならないが,これは社会通念上,県民の理解を得られない.行事は違う日に行うように.」ということ.

勤務校では一般公開を土日の2日間行っているが,この日を避けると大変な無理を強いられる.例えば,1日しかやらない運動会の日程を動かすようなわけにはいかないのだ.

実は,県の規則というより国家公務員の規則がそうなっているのを,県が踏襲しているらしい.「土曜日と祝日が重なった日の出勤に代休を2日分出す」というのはおかしな話で,われわれ教員は「べつに1日出勤したら,休みが1日なのは普通のことじゃん」と思っていた.

ところが,正確には県の一般職は「代休と時間外勤務手当て」つまり「祝日出勤には代休と時間外手当」をもらっている.まぁ給料の二重取りともいえるが,これは使用者に対してのペナルティの側面もあって,そもそも国家公務員の人事院勧告がそうなっているようだ.つまり「労働慣行」ですね.

教育職は時間外手当のない職だから,時間外手当を与えることは不可能で「代休」しかなく「代休2日」になってしまう.規則は「祝日出勤は代休」,「土日出勤は代休か時間外手当」の二本立て,祝日と土日が重ならなければ,教育職は大抵代休なわけだ.(でも部活の試合で出勤しても代休を取る人は今まで見たことないけど・・・^^;)
でも,休日祝日が重なったら「代休を二日とれ」とか「代休と手当て両方もらえ」という規則はどこにもない.つまりこれは「解釈,運用」の問題で,条例でも規則ではない.
だから「合理的じゃないし,『県民の理解が得られない』からやめてしまえ」とも思う.
ところが「労働者の権利」という視点に立つと
「祝日と土日が重なった日の出勤は使用者に対するペナルティを科して給料と休みの二重取りをする」
というのが労働慣行になっているわけで,教育職の都合で「代休二日はいらん」というと一般職の労働慣行が脅かされるわけだ.

で,目下のところ「代休は前後4週間にとれ」という規則があるから前4週間なら夏休みにかかるから,そこに代休を割り当てればいいじゃん.というのが,俺らの主張なわけ.そうすれば,一般職の権利を脅かすことなく,できるじゃん.
すると県は「どっちにしても1日の出勤に代休2日は県民の理解が得られない」と難色を示してしている.つまり「夏休みは休みじゃない」ということなんだよね.

「労働慣行」というのは労働者が勝ち取った権利なので,実は規則以上に重みを持つ.さらに,「県民の理解」というのも県当局にとっては重要.だから,その軋轢を教育に押し付けてきた.というのが今回の構図.日程変更でなんとかならんかという傲慢さもある.
どの学校も「日程変更してくれた」と県は言っているが,喜んで変更したところなんて,皆無のはずで,どこもしぶしぶだろう.
県にしてみれば日程変更してくれれば,いろんなところに波風が立たないわけだが,それが未来への投資の「教育」に押し付けられるというのが,教育行政の貧困さ哲学の無さを露呈している.「大切な子供を育てるためだから大目に見て理解して欲しい」となぜ主張できないのだろうか.

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